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KJSレポート78 (73-9) 欠陥住宅建築シリーズ(Y建築会社) No.78 - 2014/9/22

Y建築会社(建築士)の手抜き工事と驚愕の言い訳!

ある司法の場において、何を血迷ったのか『今までそんなことはしたことがない・・・!?』などと驚愕の証言がなされた。それは、『今までの建物も軒桁部の垂木等は設計図書のとおりにはしてこなかった』という意味であるが、『初めから設計図書のとおりに建築するつもりはない』と言っているのと同じことでもある。自身が何を言っているのか気付いていないようだ。

Y建築会社の一級建築士さん、設計図書とは何のために作成するのかご存じないか、或いは「無視しても良い」などとお考えのようですから、設計図書の意味をKJSからご教示してあげましょう。

①設計図書は建築のために作成するものであり、建築は設計図書に基づいて忠実に建築するものです。
②設計図書は施主と契約した建物の内容を表したものです。
 ・・・素人の方でも分かる基本中の基本ですが理解できますか?

そもそも、Y建築会社では現場職人の手抜き工事にくわえて、設計図書自体の間違いが数十箇所に及んでいる。これでは真面な家が建つはずもない。仮に図書に一部間違いがあったとしても、Y建築会社では工事監理を行っていないため、これを是正することすら出来ない。また、是正すべき事柄について気付いていなかったという始末である。
Y建築会社の建築士さん、設計図書とは何のために作成するのか、その意味をもう一度考えてみなさい!

※設計図書を無視した施工と設計図書自体の不備
(二つの問題点と①瑕疵②欠陥の指摘)

垂木受補強材」が未設置(軒桁部分・棟木部分・土台木部分等の全般)
※垂木受け補強材:断熱ボードが、ずれたり局部的に潰れないようにするために、通気垂木と垂木の間に設置する部材。
「キューワンボード外張り工法標準施工マニュアル」より

≪問題点と指摘≫

1.

Y建築会社は、設計図書に反して軒先部の下段垂木を切断しているが、設計を変更する(垂木を切断する)ことについては施主の承諾を得ておらず、請負契約違反である。

2.

請負契約違反をしてまで設計図書のとおりに施工をしない理由やできない理由は無い。 下段の垂木を軒先まで延ばせば、断熱ボードと垂木部分の納め方につき手間が掛かるため、その手間が掛からないようにするために下段の垂木を切断しているものであり、手抜き工事以外の何ものでもない。

3.

Y建築会社は、なぜ設計図書のとおりに軒先まで二重垂木としないのか・・・合理的な理由が無い(合理的な理由が全く説明できない)。軒先部(軒桁より外側)については、垂木の断面(断面係数)が約半分になっているため、軒先部分の吹き上げ力に対する曲げ強さが設計より極めて小さくなっている。

4.

本垂木と軒桁の仕口部分では、本垂木が切断されているため、断熱ボードの施工につき、所要の「垂木受け補強材」が設置できない(上略図と写真参照)。 ※また、同社の建物では軒桁部分に同じく、棟木部分及び土台木部分等についても、断熱ボードの受け材(補強材)が全般に未設置である。

5.

本件の設計施工不備は、KJSレポート73-17779で紹介している軒桁と垂木の仕口部分の留付け不備にも悪影響を及ぼしている。

≪Comments1≫
冒頭に指摘のとおり、これらのことを司法の場で指摘された際に、Y社の一級建築士が慌てて『今までそんなことはしたことがない』などと、つい本音を口走ってしまったようだ。

本件に関する設計・施工不備については、Y建築会社の建築士らが、これまでも設計や建築について知識不足のままに建築をしてきた証拠であるが、この程度の考え方しかできない経営者や建築士が現在でも実在している以上、Y建築会社に限らず『欠陥住宅』が無くなることは永久にないだろう!


≪Comments2≫
本件のように、天井裏や壁内などに隠れてしまう部分の手抜き工事は、特に素人の皆さんには分からないからこそ、建築会社が(心ない建築士や職人が)手を抜きたがる事柄・部位なのです。

本件は、大きく分けて以下の6つの問題点があります。

①設計図書自体の不備。

②現場職人の手抜き工事。

③建築士が工事監理をしていなかったこと、或いは監理能力が未熟なこと。

④建築士の建築(外張り断熱工法)における基本知識が不足していること。

⑤建築会社自体に、建築士に工事監理をさせるという体制が確立されておらず、営利主義であること。

⑥施主との建築契約と設計図書の意味や関係を建築士自体が理解していないこと。

上記は、どの事柄も建築会社としては致命的であり、建築会社自体に瑕疵や欠陥があると言えます。
これからも他人様のお家を建築して営業したいのであれば、もう一度お勉強をし直すべきでしょう!

≪注記≫
掲載内容についてのお問い合わせについては、一切応じることは出来ません。但し、本件(同社の建物)に関しては、その他にも小屋組や断熱施工等に関する欠陥住宅(被害者)が相当数あると推定されることから、利害関係のある方、又は、今後利害関係が生じる方からの問い合わせについては、一定の情報を提供します。

以上、KJS

≪関連の記事≫KJSレポート73-1, 73-2, 73-3, 73-4, 73-5, 75, 76, 77, 79

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