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KJSレポート96 建築業界の恥施工(外部防水等の手抜き工事) No.96 - 2020/04/08

 今回は、外部防水(雨仕舞い)と外壁通気構法の施工不備(手抜き工事)についてレポートします。
 まず、建物の屋根で、軒の出の無い屋根形状、いわゆる軒ゼロ・けらばゼロという屋根があります(最上段写真)。その場合、特に雨水の侵入に対する防止措置や外壁通気構法(排気口)等に対する配慮(破風板・鼻隠し・所定のクリアランスと通気部材の設置に加え、事前の防水紙の張り込み等)が求められます。
 ところが、建物調査においてとんでもない施工不良(手抜き工事)が発覚! では、何故手抜き工事による施工不良と断定できるのか。→ → → 設計図書に図示している破風板・鼻隠しを設置していないうえ、その破風板・鼻隠しの設置のため、及び外壁通気(排気)のための屋根の出幅(20cm程度)が無い。また、サイディング板を屋根野地合板に突きつけ、そのすき間部分には防水紙が適切に施工されていない(隙間を設けている)にも拘わらず、シーリングのみで処理していることなどから手抜き工事と断定。また、外壁通気構法でありながら、その排気口は換気口の無い小屋裏側に設けていることから施工不良と判断されます。

※写真は、軒の出の無い、軒ゼロ・けらばゼロの屋根の例(鋼板葺き)。
①の写真は、上段(黄矢印部分)の屋根鋼板と外装板との取り合い部分を撮影
*屋根鋼板(野地合板)に外装板を突きつけ、そのすき間をシーリング処理!
②の写真は、上段①の赤矢印部分を小屋裏側から撮影
*シーリングがそのすき間から小屋裏側にはみ出しており、防水紙も張り込み不備!
③の写真は、同小屋裏側から桁部分を撮影(矢印部分)
*築3年以内に雨漏り発生(矢印部)!
*上記のような施工をしているのですから、この雨漏りは当然の結果といえるでしょう!

≪外部防水の施工不備について≫
 この建物は、戸建て住宅です。一般的な倉庫でもこのような施工はしません!
 素人集団(Sホーム)が、プロの建築会社を気取って手抜き工事をした結果が雨漏り!テレビCMは、ほどほどにした方がよいのでは?

≪外壁通気構法の不備について≫
 外壁通気構法とは、“吸気→通気→排気をもって通気構法といいます。”
 本件建物の外壁では、屋根鋼板(野地合板)に外装板を突きつけ、シーリング処理で排気口を閉塞し、かつ、小屋裏換気口が無いにも拘わらず、外壁通気(排気口)を小屋裏側に設けている!これは通気構法とは言えません!


 業界(福岡)には、このように素人には分かり難い部分でとんでもない手抜き工事をしているケースがあります。
 当該建築会社には、KJSで数年前に同様の指摘をしていたにも拘わらず、その後もこんなでたらめな工事をしていたということでしょう。学習能力の無い人たちが集まっている建築会社のようです。“皆さん、気をつけましょう。”

 
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