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KJSレポート86 「欠陥住宅」ある建築会社の驚愕の主張! No.86 - 2017/07/18

「欠陥住宅」ある建築会社の驚愕の主張!

 今回のレポートでは、建築物(戸建住宅)の瑕疵・欠陥の指摘に対する、ある建築会社の主張または反論を紹介します。

≪建築物の概要≫
  木造軸組工法(一部2階建て)、延床面積約45坪 築後15年 
  屋根:陶器瓦葺き 外壁:サイディング板張り 軒天:ケイカル板張り

≪主な欠陥の指摘事項と指摘に対する建築会社の主張または反論及びKJSコメント≫

1.地盤

(1)基礎設計の不備(地耐力不足)について・・・

 A.設計士(建築士)はいない!?

≪コメント≫
 “設計士(建築士)はいない”というのは俄かには信じ難いことですが、本件建物の地盤では、杭基礎またはベタ基礎以上で建築する必要があります。それを、コンクリートブロック造の布基礎(島型基礎・半島型基礎を含む)で建築するなんて、地盤沈下等に対しどのように対処するつもりでしょうか。(実際に基礎には段差のある縦亀裂が生じている)

(2)建築物地盤面と周囲地盤との高低差不備について(建築物の地盤面が部分的に周囲の土地より低いこと)・・・

 A.建築物の周囲の土地に傾斜があるから問題ない!

≪コメント≫
 豪雨の際などの冠水、又は容易に床下浸水が発生するようではカビ等の発生により不衛生であり、そもそも床組材の腐朽などにより建物の耐久性が損なわれます。

2.基礎仕様の不備(コンクリートブロック造の基礎)について・・・

(1)布基礎の底盤無し(捨コンのみ)、配筋不足(上下主筋無し・縦筋不足・定着無し・開口部補強筋無し)、露筋箇所の存在等

 A. コンクリートブロック基礎の件は事前に建築主に説明はしていた、了解を得ていた!



≪コメント≫
 仮に、建築主に対しコンクリートブロック基礎とすることを説明していた。あるいは“了解を得ていた”と仮定しても、基礎の底盤が無いことや適切に鉄筋を配筋しないことなどを説明していた訳でもない。また、コンクリートブロック基礎ではどのような不具合が生じるのかさえ説明していない。そもそも、建築基準法における基礎の違法性(地耐力不足)などを鑑みれば、そのような言い訳が通用するはずがありません。

(2)基礎立ち上りの段差を生じた縦亀裂について・・・

 A.コンクリートブロック基礎の立ち上りに段差を生じた亀裂があっても、地盤沈下ではない!

≪コメント≫
 基礎の設計不備と施工不備に加え、実際に基礎の立上りに段差を生じた縦亀裂(幅:2.5㎜、段差3.0㎜)が生じているにも拘らず、「地盤自体の沈下高低差を計測したのか?」だって! そもそも、建築基準法では戸建住宅でブロック基礎は許容されていない。

3.床組の多数の欠陥(床束、大引き、床根太の各継手・仕口の位置方法の不良全般)について・・・

 A.やり替える。

≪コメント≫
 「やり替える」などと一言で言うけれど、根太の釘打ちなどの改修は、住宅設備機器を仮撤去して床下地材(仕上げ材を含む)・内壁材等を撤去しないとできない工事です。本当に「やり替える」の意味を理解していますか?

4.軸組の多数の欠陥

(1)土台火打ち材の未施工(全箇所)について・・・

 A.土台火打ちの設置は必要ない!

≪コメント≫
 「床張りでは、12㎜厚の下地コンパネ(床合板)を張っているから土台火打ち材は必要ない、問題ない。」ということらしいのですが、本件建物は根太工法で建築されています。つまり、土台・大引きの水平面に直接構造用合板(厚さ24㎜以上)を張る剛床工法ではありません。凄い主張ですね~!

(2)通し柱の未施工と筋交いの一部欠如及び留め付け不備について・・・

 A.2階部分(広い小屋裏)の天井を1.4m以下に張り直す。そうすれば平屋になるから、その部分の通し柱や筋交いは必要ない!

≪コメント≫
 2階建てを目的とした構造で建築をしておきながら、今更? 我がままな人達ですね~。

(3)横架材の継手補強金物の未設置(多数)について・・・

 A. 今からでも金物を設置して補強できる!

≪コメント≫
 外部軒天材や屋内天井仕上げ材を撤去しなければ設置できない部分が多数あるのです。今になって補強金物を設置できるというならば、建築当初に設置しておけばよかったのでは?

(4)軸組材(頭繋ぎ材)の欠如について(複数箇所)・・・

 A. 本当は必要ないが、部材が必要なら改めて設置はする!?

≪コメント≫
 “本当は必要ない”などというが、当初は繋ぎ材を設置する予定であった痕跡(ほぞ・あり)がきっちりと複数箇所に残っています。これをどのように説明するつもりでしょう。手抜き工事が明らかですね。

(5)火打ち梁の複数欠如(十数箇所)について・・・

 A. 部材(横架材の成)を大きいものを使っているので火打ち梁は必要ない!

≪コメント≫
 桁や小屋梁を大きくしたからといって水平力による軸組の変形防止にはなりません。建築のプロならば知っているはずのことですが・・・。ちなみに、特段に大きい横架材が使用されている訳でもありません。苦し過ぎる言い訳ですね~。

5.小屋組

(1)母屋、棟木、垂木の継手・仕口の位置・方法の不良全般について・・・
  (母屋材の継手を小屋束上部で継ぎ、しかも突き付け継ぎ!など)

 A. 特に問題ないので、やり替えや補強をする必要は無い!

≪コメント≫
 木造軸組工法では、継手や仕口部分は弱点になります。その弱点部分を集中させることは、外部荷重に対し小屋組の抵抗力が小さくなります。また、垂木の継手部の遣り違いなども応力の伝達がなされません。
 “問題がない”というのであれば、勘と経験値ではなく問題が無いという根拠を示すべきでしょう。

(2)小屋束の寸法不足(多数)・小屋筋交いの不足(多数)について・・・

 A. 小屋束には金物を設置すれば足りる! 小屋筋交いは設置する。



≪コメント≫
 小屋束の端部の寸法が足りない部分に“敷き木”を挟み込んでいるが、金物を設置しただけで屋根の撓みや浮き上がりに抵抗できますか?耐震性が確保できると言えますか?もっと考えて反論すべきではないでしょうか。

6.外壁サイディング板の施工方法の不良全般(直張り・外壁通気工法無し)について・・・

 A. 直張り工法でしか請け負っていない!

≪コメント≫
 “外壁通気工法で施工するような契約はしていない。または、そんな費用までは請負額に含んでいない、直張りは当然だ!”とでも言いたいのでしょう。・・・論外です。

7.断熱材の未施工箇所の存在(床下・天井裏)について・・・

 A. 他の改修工事を行う際に設置(施工)すればよい!

≪コメント≫
 これも、今になって断熱材を設置できるというのならば、建築当初に設置しておけばよかったのでは・・・?


≪まとめ≫
 瑕疵の指摘に対し、建築会社側にも当然、主張や反論をする権利があります。また、公序良俗に反しない限りどのような主張や反論をしても自由です。ところが、本件のように反論が反論にもなっていない主張がなされる場合があるのです。
 建築に厚顔無恥(無知)な人達が建築業の許可を得て営業しているケースがあるのも事実です。消費者側も建築会社とのトラブルを回避するために(見極めをするためには)プロのアドバイスやサポートを受けるなどして建築契約(発注契約)をすることが肝要と思われます。

 ちなみに“本件のような建築会社は他人の家を建てるのには向いていないようですから、ご自身の家の建築だけにしておいたほうが良いのではないでしょうか。”

以上、KJS


 
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