これが業界の驚きの実態!Q&A
今回のレポートでは、新築建物の基礎関係の設計・施工不備(瑕疵・欠陥)について施工者側に聞き取り(追及)が行われた際の状況をQ&Aとして記載します。
建築主、M建築士(設計・監理者)、D工務店の関係についての関係図
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M建築士が建築主との間で設計・監理委託契約を交わし、さらにM建築士がD工務店に建築主を紹介しD工務店と建築主との間の建築請負契約を締結させていた。よって、D工務店にとって建築主が発注者(契約者)であるはずのものが、M建築士が取り持った請負契約なのでD工務店とM建築士の間ではM建築士が発注者であるかのような上下関係が形成されていた。 ≪以降のQ&Aについて以下の基礎関係図参照≫ |
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■.本件についての説明
Q-1 まず、基礎コンクリートの片持ちスラブの被り厚不足について、貴方は有資
格者ですから設計者側の指示に従えば 明らかに被り厚不足になることは分かっていましたよね?
A-1 はい、でも設計者の指示でしたから・・・。
Q-2 基礎コンクリートの片持ちスラブの打継について、設計者側から片持ちスラブ
部分の打継をするように.との指示は あっていませんよね?
A-2 ・・・はい。
Q-3 基礎の片持ちスラブは複配筋(W配筋)としなければならないことは知って
いましたよね?
A-3 はい、でも設計図がシングル配筋になっていましたから・・・。
Q-4 基礎の立ち上り部分についてコンクリートの被り厚不足が認められますが、設計者が意図的に被り厚不足にするように 指示することは有り得ないはずですがいかがでしょうか?
A-4 ・・・はい。
Q-5 現状地盤は設計地盤(GL)より20~30㎝程度低いですね。また基礎の
高さも設計高さより15~20㎝低いですね。 すなわち、ベタ基礎の高さは地上部分で(周囲の地盤から)30㎝以上必要なところ25㎝前後しかありません。
このようなことをことをすれば基礎梁(基礎立ち上り)としての強度不足など建築基
準法にも違反すること になることは分かっていましたよね?
A-5 はい、でも側溝の高さに合わせたものですから・・・。
≪Comments≫
本件は、GL設定を勝手に変更し曖昧にしていたことが原因であり、D工務店側が言った側溝は建物の完成後に設置されているため虚偽の申告!
Q-6 上記Q-5を踏まえ、べた基礎の打継部分や基礎内が周囲の地盤(GL)より
低いと、本件建物のように基礎内に雨水が 侵入してくることがあるのは知っていますよね?
A-6 はい、でも設計者(監理者の代理人)の指示でしたから・・・。
Q-7 貴方は設計者側の指示どおりにすれば実際の現場では基礎内に雨水が侵入
してくるなど不具合が発生すると分かっ ていても設計者側の指示に従ったという訳ですね?
A-7 ・・・監理者の代理人の指示ですから。
Q-8 基礎の形状がずれており、アンカーボルトが土台心より極端にずれています。
或いはずれてしまっているところもあり ますが、これでは土台と基礎がアンカーボルトによって適切に緊結されていませんよね?
A-8 はい、でもケミカルアンカーを10本以上打って補強をしていますから・・・。
Q-9 基礎にケミカルアンカーを10数本も打っているのは、それだけ基礎が変形ま
たは心ずれ等の施工不良が存在している 証拠だと思われますが、これも設計者(工事監理者)の指示ということですか?
A-9 いいえ・・・。
Q-10 ところで、柱と土台は一定の緊結をしなければならないのですが、現況では土台のほぞ穴の中心にアンカーボルトが 存在したままになっているところがありますが、この部分の管柱はそのほぞを切断し、土台の上にそのまま管柱を 乗せているだけで、何らの緊結や補強もしていませんよね?
A-10 ・・・はい。 ≪Comments≫
本件(Q-10)の指摘に対して、工務店側は当初「ほぞ穴の中心に埋設していたアンカーボルトは切断したうえで、管柱のほぞを差し込んでいる」と虚偽の主張をしていたが、改めてアンカーボルトが土台のほぞ穴の真ん中に存在したままであること、かつ、その部分の柱と土台の仕口についても何らの補強や緊結をしていないことを.こちら側が証明(証拠の再提出)したため、D工務店側は虚偽の申告を取り下げざるを得なかったもの!
上記のQ&Aについて、D工務店側は「建築士(設計者)の指示に従ったのだから請負者側に責任は無い」という身勝手な責任逃れをしたいのでしょうが、そもそも建築士(設計者・工事監理者)の指示の有無以前に、D工務店側は建築のプロ(有資格者)なのですから上記Q-1 ~Q-10のようなことは当然知っているはずのことです。実際に「知らなかった」という主張は一切ありません。
建築において.してはならないこと、あるいは建築基準法等にも満たない施工であることを認識していながら工事をしていたのですから瑕疵というより不法行為と言うべきことです。それを建築主に知らん振りして引き渡し、それがバレたら建築士事務所や工事監理者等の指示が悪いからこうなったと責任転嫁をしているのですからお話になりません。いずれにしても、D工務店並びにM建築士はどちらもプロとして携わっている以上、欠陥住宅(瑕疵)に関する責任は免れません。
ところで、皆さんは建築途中、或いは入居後に、これは・・・?と思う問題があった場合、現場担当者などに尋ねてもその建築会社や建築士が本当のことを言ってくれると思いますか?また、専門用語を用いて巧妙に言い訳をされれば、一般素人の方が太刀打ちできると思いますか?
問題がある場合または施主の質問に対し建築会社側の返答に不信を感じる場合など、建築主も自分自身あるいはご家族のための一生の高い買い物をされるのですから、勇気をもって第三者の建築士にチェックしてもらうことをお奨めします。(できれば建築契約段階、或いは建築の着工時から第三者の建築士にチェックしてもらうことが有益でしょう)
これから建築をされる方にとって建築会社の選択及び建築士の見極めについては素人の方には難しいところがあると思いますが、本件のような建築業界の悪しき慣習に対し、建築主のことを考えてきちんと白は白、黒は黒と言う真面目な建築士等に事前に相談されることをお奨めします。
以上KJS
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