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KJSレポート

 


 
欠陥住宅建築シリーズ
No.74 2014/1/28

ついに出ました、いつもの決まり文句!

施工不良(瑕疵・欠陥・手抜き工事)の指摘を受けた際に『これまでに何の事象も出ていないから問題ない。今までも立っているから危険性は無い、安全だ!』と言う建築会社がある。これらは、レベルの低い建築会社(建築士)ほどいう言葉であり、正攻法で真面に争うだけの知識の無い建築会社(建築士)が、必ずといってよいほど言ういつもの決まり文句(定番)である。すなわち、「建築のことは何も知らない素人の建築会社です」と、自らの愚かさを暴露しているようなものである。
一定以上の地震等が発生すれば誰も安全性を保証できないくらいの手抜き欠陥住宅(建築基準法に違反した建物)でありながら、上記のようなことを弁護士共々裁判所へ書面にして平気で提出してくるのだから開いた口が塞がらない。

ところで、本件建物の軸組では(1)筋交い部分の柱頭柱脚の緊結すらしていないところが相当数ある(耐力壁、非耐力壁とも)。(2)さらに、筋交い端部の緊結をしていない筋交いが多数。(3)また、柱と横架材及び筋交い端部等につき、緊結金物が設置されている部分においても釘種や金物自体の不備及び設置方法の不備など、軸組構造上の欠陥が建物全般に認められている。つまり、筋交い端部の緊結不足に加え、関連する柱の柱頭柱脚部等の緊結すら満足にしていないという法令にも違反した構造の建築物である。

同社は、建築主より提訴された後に壁量計算書(筋交い計算)を提出してきた。上記のような施工不備(構造上の欠陥)があったとしても、必要壁量は充たしているとする計算書である。それは単純に筋交いの設置箇所を計算し、存在壁量を全体の8掛けとしたものである。それも、ご丁寧に壁量充足率や偏心・剛心といったところまで計算書を付けるといった念の入れようだ。

しかし、ここで言うのは上記に掲げる(2)及び(3)の大きな施工不備に加え、決定打ともいえる(1)の筋交い部分の柱頭柱脚の緊結すらしていないところが相当数あるということだ。これらの施工不備(柱頭柱脚金物等の未設置)がある以上、筋交いが設置されているといえども耐力壁の構造として有効な壁とはならず、譲歩しても一般壁または準耐力壁程度にしか見做せないということだ。それにも拘らず、単純に存在壁量は8掛けとしたうえで所要壁量等を充たしている.とする計算書(筋交い計算書)を厚かましくも出してくるのだから救いようがない。と言うよりも施主の方が救われない。

ところで、建築会社は当該建物の設計者ではなく、別の一級建築士事務所に依頼し、上記の壁量計算書等を作成させている(当初の設計者(建築士)が作成していた確認申請書の壁量計算書は大きく間違っているどころか、基準法上の床面積までもが間違っていたのだから当然と言えば当然なのかも知れない)。 これらの一級建築士は、壁量等の計算につき建築基準法でいう筋交いと柱・横架材、及び柱と横架材等との一体的な構造関係など、耐力壁としての定義すら知らない一級建築士なのだろうか。それとも建築会社との利害関係により、いざとなれば知らない振りをせざるを得ないのか。いづれにしても、こういう悪質な建築会社や建築士は消費者にとって有害な存在であることには違いない。

ともあれ、「今まで何の事象もなく立っているのは安全である証拠だ」この程度の考えで建築をしている建築会社や一級建築士が未だ現実にいること。さらに係争中に(裁判で)こんな茶番を繰り広げるような建築会社・一級建築士や弁護士が現実にいることに皆さんは大いに注意が必要と思われます。ちなみに、建築の瑕疵に対する意識の低い建築会社に限って、さも優良な住宅を建築しているかのようなコマーシャルをしていることもあるので、消費者側(建築主或いは購入者)の皆さんも見極めが難しいところです。

以上、KJS>


 
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