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KJSレポート

 


 
■“外装材下地の透湿防水シートの設置不備について
No.64 - 2010/10/14

2008年7月末に福岡市のK住宅に対し指摘を行っていた外装材下地の透湿防水シートの設置不備について、現在においても外装材裏面に透湿防水シートを密着させて施工していることが分かりました。詳細はKJSレポート57KJSレポート57-2KJSレポート57-3アンケート調査結果を含む)、及び月刊誌「建築ジャーナル」の2009年2月号にて掲載されているとおりですが、K住宅はあれから2年余りの間に恐らく200棟前後を建築しているのではないかと思われます。


昨年に行った同社が建築していた屋根遮熱アルミシートに対する施工不備(屋根下地全般)、いわゆる異種金属接触腐蝕の再調査(KJSレポート58-2)のときにK住宅の中堅社員がもらした言葉で“H社長が「もう防水シートの件はホトボリが冷めたのかな・・・」”といっていたとのこと。そのときに、社長に対し“「防水シートは正規の位置に張ったほうがいいですよ」という意味の事を提言したら「そんなことはいい」と言って取り合ってくれない”と言っていました。それが昨年の3月のことであり、それからさらに1年半が過ぎました。つまり、K住宅はその施工方法は間違っていることを当時には認めていた時期があるにも関わらずそれから2年以上も施工不備の建物を建築し続けていることになります。


同社のホームページには相変わらず素人にしか通用しないような考察なるものが後付けで掲載されているようですが、それとは別に透湿防水シートを通気胴縁の外側に張ること、つまり防水シートを外装材に密着させて張ることについてH社長が述べていることは同社のホームページで「あくまでも私見で、今後の検証に委ねざるを得ませんが・・・」と述べています。従って、K住宅の社長が言っている「問題が発生したことはない」であるとか通気胴縁がどうだからなどのことは何ら検証がなされている訳ではなく、全くその根拠が無いことを意味しています。そもそも、前段のことは社員だから気を許してもらした本音でしょうが、後付けであっても自身の主張が正しいと思うのであれば「もう防水シートの件はホトボリが冷めたのかな・・・」などと稚拙なことを言う必要はなく、これらの言動自体に本件に関する裏側や作意が垣間見えるようです。


ともあれ、社員のなかには何が正しいのか何が正しくないのかをきちんと見極めている社員も一部にはいるということも確かなようですが、しかしながら、実状としてサラリーマン及びサラリーマン建築士としては社長が黒でも白と言えば白と言い従わざるを得ない場合や、知っていても知らぬふりをせざるを得ない場合があることに同情をします。しかし、建築士としての良識や倫理からは外れてしまうことには違い無いでしょう。本来、一番迷惑を被っているのは建築主であるのですが、そのことに気付いていないこれまでの建築主、或いはこれから建築契約をする建築主にも警鐘を鳴らしておきたいと思います。

以上

 
■“管理建築士の法定講習会にて講師が不適切発言!隠蔽体質!
No.63 - 2010/10/14

建築士事務所は業務を行うにあたりその事務所に所属する建築士の中から統括する責任者(一級又は二級建築士)を選任しなければなりません。また、その管理建築士は5年に一度の法定講習会を受けることが建築士法で規定されています。今回のレポートは平成22年7月27日に福岡市の建設会館で実施された管理建築士の法定講習会にて財団法人建築技術教育普及センターより委託を受けた講師が言った不適切な発言とその登録講習機関である財団法人建築技術教育普及センターの隠蔽体質など管理建築士法定講習会のありかたについてレポートします。


管理建築士講習テキストにしたがって講習は行われ、四時限目は品質確保に関する科目3の「業務に関する苦情と紛争の予防」3.2.4.紛争事例に学ぶ(2)業務範囲を巡る問題に関する紛争事例より、以下の《事例3》をとおしての講義でした。


基礎構造上の欠陥により不同沈下した、鉄骨造4階建建物の建築確認申請手続き、ならびに設計図書を作成した建築士事務所およびその管理建築士の設計上の瑕疵が問題となった事案に関し、大阪地方裁判所昭和62年2月18日判決は、「被告○○は(注;設計者、管理建築士)、一級建築士として設計図書を作成するにあたってこれを法令または条例の定める建築物に関する基準に適合させなければならない(建築士法第2条5項、第18条第2項)ところ、右各建物の基礎構造を設計するに際し敷地の地盤調査を怠り誤った地耐力を設定して、前記認定のとおり基礎構造の不同沈下を生じさせたものである。したがって、被告○○は少なくとも過失により原告らの財産権を侵害したことになるから民法第709条に基づき」、「設計上の瑕疵により原告らが被った損害を賠償する責任がある」と判示した。


以上の内容でした。また、上記の事例には注意書きとして次のようなコメントが付されています。


注)上記において被告建築士は「敷地の地盤調査」に関し、自らが本調査をする必要がないことを前提としていたようであるが、裁判所は基礎構造の設計という行為の重要性を評価し損害賠償責任を認めた。
法令上要求されている事項については「行わなければならない」ことを前提とした上で、クライアントと建築士のいずれが行うか、また、その費用負担はどうするかにつき、事前に明確な合意をする必要があろう。


この判例の解釈や趣旨に関してはまさにコメントのとおりであり、簡潔かつ明確に述べられています。
これに対し、当該講師はこの判例についてどのように誤解したのか、解説をするなかで私見を述べ「地盤調査報告書は施主よりもらうほうが得策です」と時を置かず2回も続けて言ったのです。テキスト中には適切なコメントがなされているにも関わらず、裁判になった場合敗訴するくらいなら、そして、建築士に責任が及ばないようにするためには地盤調査報告書は施主よりもらうほうが得策だといっているのと同じことです。つまり、建築士事務所(建築士)の責任回避の方法を教授しているのです。それ以外にどのような理由があるというのでしょうか。この判例をテキストに掲載した側も「地盤調査報告書は施主よりもらうほうが得策だ」ということを目的として掲載しているのではないと思われます。


私は、その講義が終わった時点ですぐに講師のところへ趣き「先程の発言に際し、判例掲載の趣旨や消費者保護等の観点からすれば誤解を招きかねない著しく不適切な発言であり、訂正・修正・或いは補足をすべきではないのか」との申入れを行いました。また、「どちらの責任と負担において地盤調査をするにしても、消費者側は地盤調査をしなければ適切な基礎構造は設計できないなどのことや、それが基礎設計に際し法的にも不可欠なものであることすら消費者側は知らない人が殆どです」と伝えたのです。しかし、その講師は「東京であった話しであって建築主が所有している土地のことですから・・・」などと的の外れたことを言っていましたが、更に、「そのようなつもりで言ったのではない」そして、「得策だとは言っていない」というのです。200人の受講者が聞いていたにも関わらず“言っていない”“そのようなつもりで言ったのではない”と言うのですから唖然とします。その他の複数の受講者にもこの講師が上記の判例の解説に際し講義中に「地盤調査報告書は施主よりもらうほうが得策です」と言ったことを確認しているにも関わらずそれでも“言っていない”“そのようなつもりで言ったのではない”と言うのです。“言っていない”と言いたいのか、“言ったけどもそのような意味で言ったのではない”と言いたいのか何とも曖昧な答えです。私はその講師の余りの不誠実さに、「法定管理建築士講習会の場でこのような不適切な発言があったことについて公表させてもらいますがよろしいですか」と言ったことも確かですが、その講師は「はい、いいですよ、いいですよ」と開き直ってしまったことも確かです。
そもそも、上記の判例は地盤調査やその費用負担及び責任負担をどちらがすべきかをいっているものではありません。基礎設計に関する重要性及びその設計責任はあくまでも建築士にあることは元より、法的要求に対してその費用負担の割合等を明確にしておく必要性をいっているのです。従って、地盤調査を怠り基礎構造設計に瑕疵があった場合、施主と建築士のどちらにその責任があったかの問題ではありません。地盤調査の結果に基づいて設計が出来るのは現実的には建築士しかいないのです。例えば建て替え地等のように施主の所有する土地であったにしても基礎設計、つまり、設計責任自体は建築士に課せられています。従って、施主の所有土地であるからといって、また、施主の負担にて施主が行った地盤調査の結果であったとしても建築士の責任が回避される訳ではなく、建築士は基礎構造であれば地盤調査に基づいた適切な基礎設計をしなければならないのは、あくまでも当該建築士であることには違いないのです。それとも、施主の負担にて施主が行った地盤調査の結果であるから仮に地盤沈下等が発生した場合は施主の責任だとでもいうつもりなのでしょうか。勿論、そのようなことは通用しません。これらのことを本当に理解している者であれば、前記したような暴言はしないと思いますし、このレポートをお読み頂いている方々も基礎構造設計に関してどちらの責任でなされるべきかの問題ではないことがお分かりだと思います。何れにしても講師としての資質や建築士としての倫理観を疑わざるを得ません。


無論、本講習は登録講習機関である財団法人建築技術教育普及センターの責任で行われている法定講習であり、建築技術普及センターの選任による講師がこのような不適切なことを言っているのですから建築技術教育普及センター(東京)に見解を求めたところ事実関係の確認を行ったうえで回答するとのことでした。数日後に電話にて回答があり「当、建築技術教育普及センターとしては本人に聞き取り調査を行った結果、特段に問題はなかったものと考えております」との回答でした。では、どのようなつもりで「得策だ」と言ったのでしょうか。それとも、そのようなことは言っていないなどと惚けているのでしょうか。本人に対してだけ聞き取りを行い、事実確認を行ったというのですから身内をかばっているのか、或いは問題を問題としたくないのか、さも、何もなかったかの如く処理をしようというのでしょう。講師が言った私見は法定講習の目的やテキストに掲載されている判例及びその掲載の趣旨からすれば、大きな矛盾が生じていることに気付かないのか、ただ、曖昧にしたいだけなのか常識では理解できません。建築技術普及センターは「問題は無い」というのですが、建築士の倫理等を講義するなかで講師がこのような著しく不適切なことを200名の受講者の前で言った事実が変わる訳ではありません。ちなみに、今回の件は先般から問題になっている検察庁の特捜部で行われていた村木さんの事件を思わせるものとなりました。村木さんの事件は司法の場にて解明され幸いでしたが、今回の件は “言った、言わない”のことにして恐らく曖昧のまま終わることになるでしょう。憤りを感じますがその後の法定講習会においても建築士事務所の責任回避の方法のみを目的としたような誤った私見が述べられているのではないか危惧されるところです。


本件の内容については真実に基づいて記載をしています。特段に講師個人の非難が目的ではありません。管理建築士法定講習の本来の目的に鑑み、趣旨を逸脱した発言に対し自浄機能も無く、組織的隠蔽ともとれる不誠実な財団法人建築技術普及センターの体質など管理建築士法定講習会のありかたについて問題提起をしています。

以上

 
■“ 建物調査にまつわるちょっとだけ好い話し
No.62 - 2010/1/29

ある大手建築会社の建売り住宅を購入した方から、入居前に建物の状態を調査してほしいとのご希望があり、昨年末にその建物の調査を行いました。

建築基準法に抵触することや関係法令に不適合となる施工不備があったのですが、調査の時点に現場責任者が立ち会い、私が指摘したことをきちんと書き取るなどして自社に持ち帰り検討したとのことでした。
既にその建物の引き渡しと引っ越し日まで設定されているのですから、ほとんど猶予はありません。その建築会社は当事務所から指摘をされた十数項目の全てに対し改善計画書を契約者に提出するなどしてきたとのこと。

そして、その改善計画書自体の精査についても当事務所に依頼がありました。その内容についても適切な施工方法で計画されていましたし、その会社の誠実な姿勢が表れているものでした。更に、その改善工事自体に信頼性を持たせる為、契約者に安心して入居してもらう為、また、自社の社会的責任や信頼を確保するためにという事で、約2週間余りの改善工事に対し、自主的に第三者の工事監理者を入れたうえで、きちんとその改善工事を行ったのです。
結構大掛かりで手間のかかる改善工事ではあったのですが、関係者が常時指示確認をするなど適切な工事がなされました。
更に、その建築会社の建物(分譲建売り住宅)は、他にも数棟完成しており、自社で調査を行ったところ同じような施工不備があったとのことで、全ての建物につき改善工事を行ったうえで、他の契約者にも引き渡しをしました。
おそらく、全部で一千万円を超える費用が掛ったものと推測されます。
建築基準関係法令等に違反する施工不備等があったことや、そのことを知らずに販売していたことは、プロの建築会社としてはお粗末なことかも知れませんが、その事に対する後の対応や措置が速やかで、かつ、社会性のある誠実な対応がなされたことに驚きを隠せませんでした。また、その建築会社の責任者と協議や打ち合わせを行ったのですが、自分たちの置かれている社会的立場や責任について、きちんと自覚していることが分かりました。当然と言えば当然なのでしょうが、業界においてこれまでに接してきた建築会社とは明らかに雲泥の差があったことは確かです。


このように誠実な建築会社であったとしても、下職さんにまで建築主(施主)の気持ちが通じているとは限らないし、現場管理者自身にもそのような認識のない人もいるというころに私どもは憤りを感じるのですが、更に、経営者自身が営利追求にしか興味が無く、社の体制もそのような体質しか備わっていない建築会社やハウスメーカーも多いことも確かです。


最後に、KJSはこれらの各社の体質や体制など知り得る限りの情報、そして、契約トラブルの回避方法等全般についての情報提供を行っています。
個別相談については、トップページでご案内しています。

建築会社の現場監督さんから届いたメール2010/2/2

KJS 九州住宅検査システム 山ア様

ご無沙汰しております。

お世話になります。
昨年はS様邸の件でお世話になりました。
ちょっとした時間にKJSのホームページを閲覧したところ、おそらく今回のことであろうレポートが目に留まり、メールした次第です。

つい先日、社内でもこの件の書類整理・工事費の精算等が一段落したところでした。と同時に社内でも、

部長を筆頭に工事監理の内容をもう一度見直していく!という方向で動きだしたところです。

正直12月は今までに無いほどの苦労がありましたが、これからもこの業界で生きていこうと思う一個人としては、

20代半ばで非常に価値ある勉強をさせてもらったと思っています。(会社には「勉強」なんて言葉は言えませんが・・・)

メールにて失礼ですが、近況報告?のような形になってしまいました。
いつかまたお会いする機会がありましたら、今度は内容の良い現場を見ていただきたいと思っています。
それではこの辺で失礼致します。


N建設株式会社
建設本部  I・M

≪コメント≫
レポート62でご紹介した建築会社の現場監督さんから届いたメールです。
素直な人柄が窺えます。また、建築会社についても工事監理や施工管理の重要性について再認識して頂いたようです。建物の瑕疵というものに対する意識の高い建築会社が建てた建物であれば、更に信頼性の高い建物になると思います。
 
■“ 第三者サポート「天国と地獄」
No.61 - 2009/12/28

新築を計画しているAさんが当事務所においでになりました。
弊社の施工チェックをお願いしたいとのことです。
もちろん私も快諾し、Aさんの新築工事をお手伝いすることに。

さっそくAさんは契約予定の建築会社、Z社に赴き、KJSのチェックを受け入れるよう工事担当者に依頼しました。
すると驚いたことに担当者はこう言ったそうです。

担当者;「KJSは入れません。他の機関にしてくださいよ。他の機関ならOKですから。それがウチの社の方針です。」
Aさん;「え?なぜKJSだけダメなのですか?それっておかしいですよね。」
担当者;「あそこのチェックはきつくてさ。前回もずいぶん金を使わされたんだ。」
Aさん;「それは御社の施工がまずかったからではないのですか?」
担当者;「そう言われればそうだけど・・・。いいよ、うちの会社と契約してくれなくたって。もう帰ってよ。」

以前、Z社の建築現場をチェックした際、ひどい建築基準法違反等の手抜き工事がありました。
私がそれを指摘したことが、彼らのご機嫌を損なったようです。

Aさんは「自社のミスを棚に挙げて良くあんなことが言えますね。」と驚きながらもあきれた様子でした。
でも「契約前に建築会社の体質がわかってよかったです。」との言葉をいただけたのが救いでした。

Aさんは営業マンの甘い言葉しか聞いていませんでしたから、今回の事は驚きだったようです。

今、Z社は適切な工事をしているのでしょうか?
内情を知らずに家を建てている施主さんが、大きなトラブルに陥りませんように。と願わずにいられません。

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それから数日後、別の建築会社、Y社から電話がありました。
Z社のことが記憶に残っていたため、用心しながら電話を取りました。
と言うのは1年ほど前にY社の建築現場の不備を指摘したことがあったからです。
その際、Y社はかなり多額のお金を掛けて工事をやり直していたのでした。

身構えながら話を聞くと“なんと私に講演をして欲しい”という依頼です。
驚きました。
「もう一度原点に戻って、お客様に間違いのないものを提供したい。」との思いを担当者から伺いました。

初めは「私を取り込もうとするのでは?」と不安でした。
しかし、講演に集まった建築士、現場監督、職人さん、みんな真剣です。
私の下手な話を食い入るように聞いています。

「この人たちの決意は本物だ。」そう感じました。
きっとこの会社の家作りは、これからますます良くなって行くことでしょう。
仮に施工ミスがあっても逃げることはないでしょう。

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きっと一般のお客様には、Z社・Y社この二つの会社を区別し選択するのは難しいと思います。
どちらの会社も礼儀正しい営業マンが説明し、彼らの話を聞いただけで契約するのが一般的だからです。

でも、この契約は一生を左右する決定になります。
この二つの会社の落差は、天国と地獄に例えても決して大げさではない、と私は感じます。

私は願っています。
『ぜひ契約前に、安心して契約できる本物の情報を知って欲しい。』と。

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きっと「相談に来て本当に良かったです。」と言っていただけると思います。
そして納得の上で幸せな家作りをすることをお勧め致します。

 


KJSの無料相談会についての日時等のご案内は、近く当ホームページにてご案内致します。

 
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