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KJSレポート

 

■悪質リフォーム業者の工事の実態 No.30_1 - 2005/7/4

◆“リフォーム工事で基礎コンクリートを破壊”

≪基礎コンクリートの破壊(10箇所余り)! 木造2F建て住宅≫
【1】通風口と称して開けた(破壊した)基礎内の人通口!(開口部:縦350×横500ミリ程度)ちなみに、この建物の基礎コンクリートには鉄筋が入っていない基礎です。
 
 
◆コメント1

この建物の基礎コンクリートの状態は指や爪で掻き落としができるほどの劣化状態になっています。昭和 40 年代の基礎コンクリートの全てがこのように著しい劣化となっている分けではありませんが、当時の生コンの配合比、粗悪な骨材、塩分の混入など強度不足が考えられます。何れにしてもコンクリート自体がこれほど劣化している状態であるにも関わらず写真のようなハツリ工事をするとは、建築や構造というものを理解している者の仕業ではないことが伺えます。(実際にこの工事を行ったのは 5 年前くらい)
建物自体の耐震補強をすることも大切ですが、基礎をこのように断裂(破壊)しては、耐震等級を表しようが無いほど危険と言ってよいでしょう。

【2】新築当時において構造上主要な体力壁下部(長さ5.5M程度)の基礎は無筋のコンクリートブロック基礎となっていることも耐力上不安ですが、それにも加えて建物の偶角となっているそのブロック部分にも通気口を 開けようとした形跡(印し)がありました。

コンクリートブロックを使う時は横使いではなく 縦使い にするのが常識なのですが・・・・・。

意味の無い処へ無意味な床束を立てることも詐欺行為ですが、写真の1~8のようなことは地震などの時に居住者の生命財産を脅かす建築基準法の違反であり、詐欺、しいて言うなら犯罪行為と言ってもよいくらいです。

これらに類似した悪質な工事は、これまでも沢山行われていたものが、たまたま福岡県西方沖地震がきっかけとなり居住者が建物の耐震診断を依頼したことなどで表に出てきたこともあるでしょうが、潜在的には数え切れないほどの例があるものと思われます。
◆コメント2 依頼者の方へ写真を示しながら事実を説明しましたが、『営業の人も何回も来てくれていたし、私たちはもう年だから我慢しておこう、』とおっしゃったのです。その言葉を聴いて、私どもはこんな工事を行なった業者に対し言い知れぬ怒りが込み上げてくるのを感じざるを得ませんでした。

悪質なリフォーム工事等で被害を被っている一般消費者が悪徳業者と戦う為には被害者自身が事象原因の特定などを法的に戦えるよう立証(証明)しなければならず、勿論そんなことは普通は出来ないので、結局は専門家の知識や証明(鑑定)などに頼らなければ戦えない(訴訟できない)という社会の構造になっているのです。そうなれば、費用や精神的ストレスも伴うでしょうし気力や体力も必要でしょう。

一般的にみて、よほどのことがなければそこまでやれる人は少ないでしょうし、悪質業者ならそんなことは既に計算済みのはずです(なかには建築に対する知識不足や勉強不足によることもあるのですが結果としては同じことです)。だからこそ悪質業者は特に高齢者等の弱者を狙うのです。


今回の既存建物(中古住宅)検査、診断を踏まえて、次回にこのような行為を発見した場合、依頼者の意向によっては法的な根拠に基づいてきちんと戦って行く(支援して行く)所存です。

* KJS の『完成新築建物検査』や『既存建物(中古住宅)検査、診断』は瑕疵(欠陥)検査を本来の目的とはしていませんが、通常の検査の延長として発見(発覚)に至る場合があります。


 
■“悪質リフォーム業者のこんなところに気をつけて” No.30_2 - 2005/7/4

  1. 初めての訪問でいきなり家に上がり込もうとする業者。
  2. 近くに来たから、キャンペーン中だから、無料だから、○○さんのお家もやらしてもらったから、材料が余ったから・・・等々の決まり文句をよく言う業者
  3. 物腰が柔らかく人を信用させるような言葉使いや会話をよくする業者。
  4. 不安を煽る言葉を連発する業者。
  5. 表向きは検査会社等を装いながら診断等をして、最後にリフォームに関する話を持ち出す業者。
  6. 工事の必要性や見積りの適正さを第三者へ相談する旨を伝えると、いやな顔をする業者。
  7. 支払いや返済計画については深入りせず、必要以上に早く契約を迫る業者。
  8. 工期やスケジュール表を出そうとしない業者。

上記はあくまでも『悪徳リフォーム業者や、不心得者』の場合です。


今、悪質リフォーム業者として社会問題になっている業者は氷山の一角なのです。

貴方もこんな業者に食い物にされない為には、先に記述したように第三者への相談をしたり、数社の相見積りを取るなどして比較するくらいの余裕を持つと良いでしょう。


教訓

  1. 基本的に無料診断はこの世の中にあり得ませんので、消費者の方も心得ておいて下さい。
  2. リフォームが目的の業者はリフォームに結びつかない結果は出しません。何か悪いところを見つけ出さなければ仕事にならないからです。
  3. 基本的にリフォームが目的の悪徳業者がきちんとした根拠のある診断をするわけがありません。
  4. 営業マンは建築士である必要はありませんが、建築士であるのか尋ねてみて下さい。
    構造に関する話になると曖昧な返事や会話しかしなくなります。建築を知らないような業者に大切なお家のリフォームは任せられないはずです。
  5. 建物診断はリフォーム目的の業者にさせず、建築士や専門家に依頼することです。
    その際にリフォーム業者を紹介したり、自分のところで請け負うような専門家は上記の業者と同じか、偽者と考えてよいでしょう。
 


■あなたの知らない世界“手抜き契約と怖い図面(プラン)の提案” No.29 - 2005/05/23

《企画住宅ではない場合の例》

建築に際し、建築会社は初期商談やプレゼンテーションにおいて、お客様の希望、要望等を第一に、家族構成や敷地の条件、都市計画、建築基準法などいろいろなことを考慮しながら、まず設計プランを行って施主に提案するのですが、その為には当然建築構造というものを設計士は当然理解していてプランします。 ある会社では設計士ではない営業マンに図面を作らせ施主へ提案させているケースがあります。単なる勘と経験で作成していたり、近年はキャドというソフトで図面を作成し、さも精工そうに見えるものもありますが、よく見ると壁量が足りなかったり、耐力壁のバランスを無視したもの、各階の荷重の伝達(耐震上)が全く考慮されていないプランなどがあります。(さすがに一階と二階の階段が合致していないプランはないようですが・・・^!^、)

これからが問題です。

このプランを基にいろいろな建物の仕様内容を打ち合わせていくのですが、ある程度客の気持ちが高まってきたところで『これから先は当社の規定でご契約をしていただかないと先に進めませんので、大体の金額が出ておりますのでその金額で、まずご契約をお願いします』と言って大まかな金額で契約をさせてしまう建築業者があります。

確かにその会社の規定でしょうし、その段階で契約をさせてしまうのは営業マンのテクニックでしょう。しかし、その段階で契約をしてしまうと後でとんでもないことになる場合が非常に多いのです。

設計や契約に際しての問題点

ラフプランは設計図ではありません。まだ不都合な点がたくさんある段階です。正式な図面や見積り書、打ち合わせができていないのに、この時点での契約を交わしてしまうと、思ったような家造りしようと思っても自分達の気に入った間取りや仕様に換えようとすると、どんどん追加費用が加算されるシステムになっていたり、思わぬ費用が掛かる等、不満な点が沢山あるままに着工といったことになってしまいます。しかし、契約をしてしまっていればどんなに不満な点があっても後戻りができない、させない構図が出来上がっていることがあります。

ちなみに、図面上で敷地に対する建物の配置または間取り上の件で不都合な点や、どうしても納得がいかないところがあった場合等、冷静になって考えてみると『図面の打ち合わせ時に設計士が一度も立ち会っていなかった』ということに気付くことがあります。(気付かず仕舞いということもあるようですが・・・)

しかし、そのことに気付いて後戻りしようとしても、契約金を支払っていたとするとちょっとやっかいなことです。そもそも営業マンが『それが当社の規定です』とか『これが社会の常識です』などと言って契約を先にさせてしまうのは、客を逃がさないようにする思惑があってのことなのですから!こんな、“非常識な話はありません”

なかには、営業マンが「このプランで客と契約しているのでイメージや信頼を崩さない為、または予算上の都合で、あまり変更しないで設計してほしい」などと設計事務所に申し入れることもある為、外注の設計士は若干の変更のみとして強度的に弱いと思われる建物であってもそのまま図面を作成してしまう例もあります。

この建物のこの部分に荷重が掛り過ぎるのでこういう部材を使うよう指定をしてくれる設計士もいるのですが実際そのとおりのものが使用されるかどうかは分かりません。
(過去の実例より)

上記までのことを踏まえて「建築契約後の相談実例」


1. 設計図面が揃っていない段階(ラフプランのみ)なのに見積り書が提出されていたこと。また、この時点で契約が交わされていたこと等不自然な状態でした。

*設計図書が揃っていなくてどうして見積り書が出来るのでしょうか?

  勿論、施主は正式な契約書では無いとの認識しかなかったのですが、営業マンの「これから先は・・・」という言葉を信用して契約し、契約金も1割を入金していました。

2.建築契約後の図面なのに、敷地に建物が入らない!これまで打ち合わせしていたような配置とまるで違うのです。それも配置図がなかったので要求して始めて発覚したのですが、そのことについては何の説明も無く施主に手渡されました。こんなことが今の時代にあるのでしょうか?着工に至ってからこんなことが分かってもどうしようもありません。

3.構造図(伏図)が無い!矩計図が無い!

こちらが図面の要求をすると「プレカット工場にまだ出していないので、まだ出来ていない」などと全く訳の分からないことを言っていましたが、設計図が出来ていないうちに工場に出せるはずもないし、第一、設計士が伏図を書かずにプレカット工場がいきなり伏図を書いているとでもいうのでしょうか?

その建物の本当の設計者はいったい誰なのでしょうか?

*(プレカット=コンピューター制御により木材の加工切り込み等を工場にて行うこと)

また、図面には設計者の記載が無い為、設計図や設計自体の責任の所在がはっきりするよう記載の要請を行い提出してもらったところ、構造材のチェックをしてみると案の定、梁スパンに対する床梁の梁成が著しく足りない箇所等が何箇所もありました。

こんな違反行為は設計士なら分かっているはずですし、素人の施主に分かるはずもありません。

他に耐力壁といわれる壁や火打ち材の配置のバランスの問題、建物の見栄えや外観も大切ですが、設計士は施主に対し風圧や耐震に対する考慮をしながらプロとしてのアドバイスをしてこそ本当のプロの設計士と言えるのではないでしょうか。

(経験に基づくことは結構ですが、勘と経験と度胸、予算優先だけではだめです、建築というものはきちんとした構造上の数値または根拠が必要です)

*その会社の建物はこれまでもこんな状態で建築していたことを伺わせますが、 大変怖いことです

そのまま建築をしていたら、それこそ日本建築検査研究所(住宅性能評価機関)代表の岩山健一さんの著書「欠陥住宅に負けない本」の中に記述されているとおり『現象なき欠陥住宅』が出来上がっていたことでしょう。

*KJSでは建築検査に際し、当然設計図書のチェックをしますが、施主の方も所 要設計図書やそれに基づく見積り書等がきちんと精査された上で建築契約をして下さい。せっかくの住宅建築が危険なものであったり、多額の費用をかけても不動産としての価値の無いものなど、『楽しい家造り』のはずが空しいものになってしまいます。

上記の例のように設計自体もおぼつかないような調子では、建築検査に至っての品質施工面でかなり気を引き締めて掛からなければならないでしょう。


KJSでは悪しき慣習に負けない消費者サポートのプロとして建築サポート等を行っています。 わざわざ、消費者の不安を煽ってまで仕事にする必要性はありません。 KJSは消費者の力強いサポート役として、これからも事実のみを発信していきます。

 

■『新築建物検査』返ってきた言葉集 パートⅠ No.28 - 2005/02/13

◆建築基礎工事における施工不備を指摘したらってきた言葉。(現場職人さん)

 “図面通りにやっていたら赤字になりますよ!これが違反ですか?”
◆コメント

“最初から決められたとおりの施工をするつもりはありません”と言う意味なのでしょうか? 施主の方は信頼をしてその工務店と建築工事発注契約をしているのに、これまで築き上げた信頼関係は何処へ行ったのでしょうか。

・・・・・『論外です!』


◆ 建物の軸組み(躯体、金物)検査における部材の不備を指摘したら返ってきた言葉。 (現場監督)

  “現場を何回も見に来られると先に聞いていましたが、こんなに来られるとは思いませんでした!”
◆コメント

構造材で設計寸法より著しく梁セイの小さい箇所(部材)を数箇所発見。
スケールを当てなくても分かります。
誰かが検査をするから、しないからという次元の問題ではなく、こういったことは構造上危険なことなのです。

・・・・・『やはり論外です!』


◆軸組み(躯体、金物)検査における施工不備を指摘したら返ってきた言葉。(現場監督)

“あ~、これですね、こんな事はよくあることですョ!”
◆コメント

基礎コンクリートと土台木を緊結するアンカーボルトが、これでは役割を全く果たしません。・・・「こんな事はよくあることですョ』という感覚では困ります!

・・・・・『言葉が見つかりません!』

基礎のアンカーボルトが柱を 差し込むべき土台木の穴にきています!

◆普通の会話で返ってきた言葉 その1 (大工さん)

『いや~、この現場は検査に来られるって聞いていましたので、いつもより特にしっかり作っていますヨ!』
◆コメント

正直な棟梁さんです!でも、第三者検査があっても無くても他の建物もしっかり作って下さい。

・・・・・『・・・・。』


◆普通の会話で返ってきた言葉 その2 (大工さん)

『施主だって自分の家なのに土足で上がり込むことはやめてほしい!』
◆コメント

大工さんが言うことも最もな意見だと思いますが、しかし、工事中は通常、建築会社や工務店は現場での打ち合わせの時などの為にお客様用のスリッパを数足現場に用意しているのが常識です。(ちなみに、ヘルメットも用意してあると安全面で役立ちます)また、建築中の建物内で缶コーヒーの空き缶を置いて喫煙をしているような事も、その建築会社の施主や建築に対する姿勢等が問われるのではないでしょうか。


◆普通の会話で返ってきた言葉 その3 (大工さん)

『やはり最終的にはその職人の人間性だと思いますョ』
◆コメント

工事中、普通に会話をしているといろんな言葉が返ってくるのですが、最初は怪訝そうな顔で話していた大工さんも、本当は他の建築現場で発生しているいろいろな問題実例を知ってはいるけど『やはり最終的にはその職人の人間性だと思いますョ』と言っていた二人の大工さん。

一概に人柄と仕事ぶりが比例するとは言えませんが、確かにその現場(大工さん)は“すばらしい仕事内容で完璧な仕上がり状態でした”


◆枠材の下端にあってはならない切り込みや継ぎ手があり、補強が施されていないことについて指摘をしたら返ってきた言葉。(大工さん)

『ここはこうしたほうが良いとか、自分ならここはこうする!本当は、ここはこうしなきゃいけないはずだ!設計士が現場の納まりを分かって(熟知して)いないで図面を引いている・・・!そこは分かってはいるけど自分たちは、坪○万円しかもらっていないんでそこまでやっていられないよ〟』
『“元請(工務店)が取りすぎだよ”もっと当たり前に(普通に)くれれば、こ~んな仕事せずにちゃんと出来るのに・・・』
◆コメント

そこには、大工としてのプライドやジレンマを感じさせますが、いずれにしても建築を発注している施主がこれまでのような話を聞けばおそらく激怒するに違いないでしょう。

第一、こういった手抜き工事に至るプロセスや考え方は、国民の生命.健康.財産の保護を目的とした建築基準法を無視し、逆に「危険にさらしている」といってよいのです。

施主や元請に指摘をされた場合にはきちんとするが、指摘されなければ「適当にしておく」といったことが全てではないにしても、日常茶飯事的に行われていることも事実(現実)なのです。

そして、それはどのような工法の建物であったとしても、どのような住宅生産者(大手ハウスメーカーから地場中小工務店)であったとしても、「人の住まい」を造りだすのは会社の看板ではなく「人の手」であるという絶対的なプロセスがあるからです。


建築中の建物で、ある問題についてS市の建築審査課で協議確認を行っている最中、その担当の方が『このような欠陥問題は民間の第三者検査機関に依頼するのが一番です。』と、言ったことがありました。

通常、施主に分りにくい(分らない)手抜き工事による欠陥工事を未然に回避する為には、それこそ市(建築審査課)の担当者も認めている(推奨している)ように安心で納得のできる建物を建築する為には、施主自らが第三者検査や監理を依頼するしかないとKJSは確信しています。


■《電話相談より・・・警鐘1.2 No.27 - 2004/11/10

◆警鐘1

最近は住宅ローンの民営化が急激に進む中、建築業者が中間検査や完了検査の省略を施主に促しているケースが多く出てきています。公庫融資付き住宅の場合、中間検査及び完了検査済書がなければ融資が実行されないという縛りがあるのですが銀行融資による場合はその縛りが殆どないことが多く、その為建物の各検査を受けないといったものです。  

健全な住宅の建築を推進したり、国民の生命身体財産の保護を目的として法律が制定(改正)されているのに逆行して、何の為に検査を省略する必要があるのでしょうか。
 
このレポートをご覧の皆さんはどのようにお感じになりますか?
◆コメント

本来は融資の有る無しに関係なく建物検査を受ける義務があるのです。今からお家を建てられる施主の方は絶対に中間、完了検査を省略してはいけません。業者が検査の省略を促したり検査を受けようとしない場合は貴方のお家は何か何処かに問題があると思ってよいでしょう。(建物の各検査の申請者は建築基準法上、建築主となっています)
業者 の方は先に述べたような不信感を持たれないようにきちんと決められた検査や手続きなどプロの業者として建築主に薦めるべきですし、設計士や工事監理者においても責任やモラルがあるのではないでしょうか。

警鐘2

最近、相次ぐ電話相談のなかで年配者の方からの相談が多いのが、『耐震検査協会です。』などと紛らわしい名前をつかい『最近、法律改正があり中古住宅の耐震検査を推奨することになりました。無料ですのでお宅も検査を受けて下さい。ほんの20分位しか掛かりませんし、検査を受けておくと資産価値も上がりますから』と嘘を言って自宅に入り込もうとする業者が福岡県でも出てきています。

名刺やパンフレットをただ見せるだけで要求しても絶対渡さないし、置いていこうとしないそうです。

業者が言う法律上の耐震検査と資産価値の向上とどのような関係があるというのでしょうか?また耐震検査がどうして20分程度でできるのでしょうか?そのような厚かましい族はどこにでも居るものですが、なぜお年寄りがいる家だけなのでしょうか?比較的築年数の古い建物が多い団地に出没し、且つ、年配者(お年寄り)がいる自宅を狙っていることなど単純に考えれば矛盾だらけです。

狙いは耐震金具といった商品の売りつけや白蟻駆除、いろいろなリフォーム工事への足掛かりとすることが目的なのです。

半信半疑で『そのような法律や機関が本当にあるのでしょうか?』といった相談が増えています。ある相談者が言っていたことに『嘘だろうと分っていても仲間もいるだろうし警察に通報したり深く追求すると逆恨みをされて何をされるかわからない』と言っていた人もいました。

◆コメント

何れにしてもそのような弱者に付け込むような詐欺行為を平然としてくるよな族には毅然とした態度ではっきりと断ることをお薦めします。  

既存建物検査や耐震検査は現時点で全ての建物に法的に強制するものではありません。必要に応じて建築士など一定の資格や経験を有する専門家に依頼するのが安心です。


KJSでは不動産購入に関する『不動産購入サポート』及び、『新築建物検査』『完成新築建物検査』『既存建物診断(中古住宅)』を行なっています。KJSは利害関係者との関りが有りませんので率直な意見を述べます。依頼者の方にとって適確な判断ができて安心です。安心なあなたのサポート役としてご利用下さい。

 

■完成新築建物検査時の実例 No.26 - 2004/10/10

◆KJSの完成新築建物検査(1)(注文建築)【大分県】

『社内検査は終わっています、どうぞ見て下さい!』・・・・・建築会社

しかし、浴室の天井換気扇は付いていても建物外部への排気口は設置されていませんでした。
◆コメント

このまま知らずに何年も使用していたら建物内部や断熱材などはどのような状態になっていたのでしょうか?
以前、築1年(入居後1年)の建物で同じことがあり診断に出向いて行ったことがありますが、断熱材等がボロボロになった状態で本来の断熱効果を果しているとは言えず、その他の部材への影響も出ており今後の住環境にかなりの懸念が残る状態でした。

◆KJSの完成新築建物検査(2)(建売住宅)【福岡県】

『基礎も構造も我社独自の○○工法です。どうぞ遠慮無く見て下さい!』・・・・・建築会社

購入予定者からの依頼で出向いたのですが、基礎の外部巾木部分に小さな亀裂があったので内部も見てほしいとの要望が先に出されていた為、その部分を基礎内部から見るとアンカーボルトに沿ってのヒビでした。専門的にはボルトの芯ずれによるコンクリートのかぶり厚不足や養生の不備等が考えられます。
◆コメント

お客様との契約前であるにも係らず協力的で大変感じの良い建築会社でしたが、言わずとも基礎と主要な構造部(土台木や柱)との緊結部は構造上重要な部分です。施工時にもっと気を使って頂きたいものです。
取りあえずその他の部位等に問題は無く、指摘箇所がその部分のみであった為、適切な補修と保証をするとの特約付きで購入されたようです。双方が納得済みでの売買であれば後からのトラブルになる可能性は殆どないはずですし、今回建物検査を行ったことは双方にとっても成功だったと言えるでしょう。

◆KJSの完成新築建物オーナー検査立会い【佐賀県】

家内が電磁波に敏感な体質なので流し台のIHクッキングヒーターは必要ありません・・・・・施主

『そうおっしゃっても、もう完成していますから』 ・・・・営業担当者
契約前に、“家内が電磁波に弱くて今も体調を崩している”という話はしていたでしょう!・・・・・施主

施主の方からのご相談
『流し台を取り替えるとしたら費用は幾らくらい掛かるのでしょうか?』既にその時点で諦めと妥協の表情に変わられたのですがオール電化の一部を建物完成後に改装することはガスの引き込み工事や給湯器、流し台の交換や工事代など思ったより費用の掛かることなのです。
◆コメント

時代の最先端である器機が施主の方にとって必ずしも便利だとは言えません。
携帯電話の数にして300個~400個分の電磁波を出すとも言われていて、使用する時は調理台から2M以上離れていないと身体に有害な影響を受けると言われています。
電磁波に特に敏感な体質の方にはお薦めではありません。
今回、お互いの思い込みや説明確認不足、コミュニケーションの欠如が結果として現れてしまったものです。


KJSは『不動産購入、建築契約安心サポート』及び、『新築建物検査、完成新築建物検査、既存建物診断(中古住宅)』を行なっています。
KJSは不動産取引や売買、建築に係る利害関係者との関りが有りませんので率直な意見を述べます。
依頼者の方にとって適確な判断ができて安心です。
計画段階などなるべく早い時期ほど効果的です、消費者のサポート役としてご利用下さい。

 

■『不動産購入前の建物の診断について』 No.25 - 2004/06/08

◆事例と問題点

あるご家族が不動産(中古住宅)を購入することになりました。

購入しようとしている建物には売主の方が入居中だったのですが、「自分達が購入しようとしている物件(建物)がどの程なのか専門家に先に診てもらって安心して購入したい」という気持ちで仲介している業者に相談したのです。

しかし、仲介業者からは「診断なんか入って何か物がなくなったらどうするんですか?実際に有る物を見て買うのだから安心なはずでしょう、それに瑕疵保証も二ヵ月付けているのだから必要ないでしょう、契約をしてから診てもらって下さい。」という返事が返ってきました。

その不動産を仲介している業者からすれば「そんな非常識なことはさせられない。そこまでするなら買ってもらわなくてもいい」ということなのでしょう。
不動産業者の立場や売主さん側の考えと、買主さんとの意識の差には格段の開きがあります。
確かに売主側からすれば「自分達がまだ入居しているのにどうして!」という気持ちもあるでしょう。例え購入するつもりで建物の程度を診てもらっても他に何か予測していなかったことがでてきた場合、購入をやめてしまう可能性も幾分残っている時点でのことですし、仲介業者及び売主さんにとっては不利と思えるかもしれません。

しかし、買主(消費者)からすれば不動産チェックや建物診断は購入を前提でのことです。純粋に「自分達が購入しようとしている物件は適正な価格なのか、不動産自体を安心して購入したい、また何かあっても知った上で購入したい、リフォームするのにはどの程度までしたらよいか、どれ位の費用が掛かるのか大まかな費用を契約前につかんでおきたい」という買主の気持ちも当然でしょう。

売主の入居中に診断をするには常識の範囲で時間や時間帯など、それなりの気遣いも当然必要です。
しかし、土地や建物を専門家にきちんと診てもらって購入しようとすることに売り手側の理解が得られないのは逆に不信感がでてきて、購入意欲を無くしてしまう場合もあるのではないでしょうか
◆コメント

お互いの立場も理解できますが、中古住宅付き不動産の場合、物件自体の良し悪しや程度というものがあることは確かです。
しかし、売却の意思があって常識の範囲で物件の状態をオープンにしておくことは決して不利なことでなく、どちらにとっても有利なことです。



中古住宅診断のメリット

第三者(専門家)の『診断書付き物件』または、購入前の診断を行なった場合の具体的なメリットについて

売主

1.不動産自体の信頼性を高めること
2.不動産の売買価格に信憑性や根拠を持たせる事ができて有利に売却できる
(余分な値引き交渉にならずに済むこと)
3.後からのクレーム回避に繋がること

買主

1.不動産の売買価格に根拠や信憑性があり安心して購入できる
(高すぎる物件を買わずに済むこと)
2.不動産自体の信頼性や、その程度がはっきりしている物件が安心して購入できること
3.リフォームを踏まえての購入の場合、その程度や費用の目安がわかること
4.後からの不測の事態を避けられること

仲介業者

1.売り手や買い手に対し不動産の売買価格に根拠をもたせること
2.不動産自体の信頼性を高め、「スムーズな販売や仲介」に有利であること
3.後からのクレームを回避出来ること
4.自社仲介物件の信頼性を高めることに繋がり、今後の仲介や販売業務にも有利であること


                                      
以上のようなことがあげられます。


既存建物(中古住宅)の仲介に際し、2ヶ月間の瑕疵保証を備えての仲介はもちろん必要ですが、それだけで消費者(買主)は本当に安心して購入できるでしょうか。
不動産購入は非常に大きな買物です。物件の内容などをオープンにして売買することは、買主にとってはもちろんのこと、売主や仲介業者にとっても共に大きなメリットがあることなのです。

『完成新築住宅の建物検査』(建売住宅または注文建築完成時の建物)においてもやはり同じようなことが言えます。

購入予定者から第三者検査を入れたい旨の要望があった時に、たとえ契約前であってもどうぞ見てもらって下さい、私たちは自信をもって販売していますので第三者にみてもらって販売ができると今後の宣伝にもなりますからと快く受け入れてくれる会社もありますし、逆にそこまでされるということは信頼関係が無いということですからお断りしますときっぱり言われる会社もあるなどさまざまであり、経営者の経営方針や考え方によってかなりの違いが有ります。消費者の心理をどこまで理解してくれているのか不安が残ります。

特に新築住宅の場合、住宅生産者として物件や建物の内容を明らかにすることは生産者としての社会的にみて当然の責任と義務だと思います

今回のテーマについてはそれぞれの立場や考え方があると思いますが、レポートをご覧の皆さんはどのようにお感じになりますか。 ご意見をお寄せ下さい。

KJSでは不動産購入に関する『不動産購入安心サポート』及び、『既存建物診断(中古住宅)』『完成新築建物検査』を行なっています。KJSは不動産取引や売買に係る利害関係者との関りが有りませんので率直な意見を述べます。依頼者の方にとって適確な判断ができて安心です。安心な不動産売買サポート役としてご利用下さい。



■『売主に不利な不動産仲介(売買)』 No.24 - 2004/05/21

この不景気で、不動産業界でも色々なあおりや影響がでているようで、仲介業においても色々な戦術が用いられているようです。
そもそも、不動産の売り買いをする場合、売主は「少しでも高く売りたい」、買う側は「少しでも安く買えれば」と思うのはごく普通のことです。しかし、仲介を依頼される業者によっては、売主の信頼をよいことにその故意に信頼を裏切ってしまう場合も少なくありません。

今回のKJSレポートは、私どもが最近耳にした不動産売買に関する事例を紹介しながら、そこから垣間見える数々の問題点について考えてみたいと思います。

◆事例と問題点

不動産媒介は専任媒介契約の形態であった場合、標準専任媒介契約約款上、「売主との媒介契約締結の日から7日以内に大臣指定の指定流通機構等に登録し広く公開しなければならない」とされています。
また、上記【8】の「依頼を受けた物件の価格・評価額について根拠の明示」については専任媒介でなくても宅建業法上の業者の義務とされています。
(*)不動産仲介(媒介)の形態や内容についてはKJSレポートNO-6でご紹介しています

宅建業法の目的として「(前略)・・・その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、(中略)・・もって購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化を図ることを目的とする」といったことが業法の第一条に記載されており、言い換えれば売主や買主の不利益な売買とならないように、かつ業者の適正、公正ではない行為への抑制を含んだ業法であり、ある意味では問題の回避や消費者保護に繋がるはずのものです。
また、この中には、不動産仲介手数料についても成功報酬とすると明記されています。つまり、成約に至らなければ報酬領等を受領したり、要求してもいけないこととされているのです。

今回の場合、何故、先に記載したような細工をしてまで売却(仲介)をする必要があったのでしょうか。
問題としていることは不動産に詳しい方ならすぐにお分かりだと思います。
それは不動産仲介手数料のことなのです。

不動産売買と手数料のしくみ

【1】 依頼をしてくれた売主のことを考えた形で、公正な商売などをしていると同業者の介入があった場合、成約(仕事)自体を無くしてしまう可能性がある。
【2】 物件の公開をして同業者が買主を見つけてきたら仲介手数料が売主からだけしかもらえない。
【3】 自分が買主も見つけた場合、当然買主からも手数料が入るわけですから一般に公開せず売主、買主の両者から仲介手数料をもらう為の作為。例え、売却価格が数百万円下がって売主の希望価格で売れなくても業者の仲介手数料にはあまり大差はないのですから早く成約に持ち込み、且つ両者双方から手数料を頂くほうが遥かに得です。

事例の不動産取引については業者の思惑どおりにいったのですが、決して公正な仲介業務とは言い難いようです。

◆コメント

売主も自分が売却しようとしている土地の相場くらいは知っていたと思いますが、業者が「売り急ぎをしている売主の無知や足元をみて成立させた仲介」としか言いようがありません。
このような類ことは宅建協会でも再三注意を促しているにも係らず現在もたくさん行われています。

以前、今回に類似したような件(著しく不利益な仲介)で後からそれを知った売主側が仲介業者を訴えるといった事例もあり、売主側の勝訴となった判例があります。

今回の件は氷山の一角であり、このような例は後を絶たないにもかかわらず、なかなか表面化しないのが現実です。
しかしKJSでは、これは「不動産売買に係る消費者の問題」だと考え、今回レポートに取り上げました。
みなさんは、どのようにお考えですか?感想・ご意見をお寄せください。


不動産は売主、買主共に自身が売ろうとしている、または買おうとしている物件の全てを知った上での売買が必要です。
KJSでは、不動産自体や不動産仲介に関する消費者(売主、買主さん)のサポート、アドバイスを行なっています。利益、不利益な部分や事柄についてもきちんとチェックしてお伝えします。
不利益な売買をさけるためにも、不動産に関するサポートを消費者の立場で行っているプロのサポートをぜひご利用ください。


■『住宅トラブル-売り手の認識』 No.23 - 2004/05/14

春うららかなある日、不動産の現地調査に行ったときのことです。
近くの土地の販売価格を尋ねようと、ある分譲会社の販売センターの前にいってみたところ、そこへたまたま車が一台やって来て、40歳代のベテラン営業マンとしての風格を漂わせる方が降りてきました。

◆『販売者側と消費者の意識の差』-ある住宅会社のベテラン営業マンさんとの会話-




お互いに"こんにちはー"といった簡単なあいさつから始まって、こちらへ来た目的を聞かれました。 
KJS
(以下【K】)
  「今日はお客様からの依頼で近くの土地を見にきてるんですが、御社の販売地はおいくら位で出しているのか教えて頂けませんか?」

営業マン
(以下【営】
  「そのお客様は何坪でいくら位の予算で探しているのですか?」

【K】
  「ええ、ご予算についてはちょっと言えませんが、土地は大体○○坪位は必要のようです・・・」

【営】
 
「それだったら、うちが販売している土地の中にも○区画ぐらいありますよ。あそこも○○坪ありますし、あそこも○○坪あります。」


土地を探しにきているものと誤解をされてしまったようです。

【K】
  「私どもはお客様からのご依頼で物件の下見や調査をしていますが、不動産仲介業とは違いますので、売地のご紹介も仲介もしていません。建築会社様のご紹介もしていないんです。一般購入者の方の個人向けコンサルティングやアドバイスをしています。勿論、仲介料等も一切頂きません!」

【営】
  「えー、それじゃーまるでボランティアじゃないですか?」


以前にも何度か耳にした言葉です。

【K】
  「いいえ、そんなことはありません。依頼者の方の為にプロとしてサポートをしているのですから、依頼者の方からその費用を頂いています。」

【営】
  「・・・建築会社は決まっているんですか?」

【K】
  「いいえ、まだ決まっていません。数社の中からお決めになるんじゃないでしょうか。
私どもはその前にお客様が土地決定をされる時の適切な判断材料を提供してさし上げているんです。」

【営】
  「・・・責任の重たい仕事ですね。知識も必要ですよね。」

【K】
  「そうですね・・・」


その後、話しの流れで最近の土地販売状況や景気動向、建物のことや建築の受注状況、一般的な住宅のトラブル問題へと話が発展し・・・。

【K】
  「着工件数は少なくなっているのに依然問題は多いようですね。」

【営】
  「そんなに多いんですかね・・・」

【K】
  「これまで他県の方からも、契約事や建物自体のことなどの相談がけっこうありますし、それに知り合いからの紹介で購入や建築をしたという方も結構トラブルになっているケースがあって問題は多いようですヨ。まあ確かに、知り合いや既に建てたお客様からのご紹介は強いし固いのでしょうけど・・・」

【営】
  「・・・そんな事があるんですか?うち(会社)あたりは何かあれば保証をしないなんてことは無いし、今は地盤調査もやっているし瑕疵保証もあって、ちゃんと保証がついているんですから、保証しないなんてことがあるんですかね。」

【K】
  「でも、何かあったときに保証を「する、しない」の問題じゃなくて、言わば全く素人の方がそこまで簡単に出来ると思いますか?会社がそれを認めない限り難しいのではないですか。
裁判といっても最低半年や1~2年はかかるでしょう?素人の方(消費者)はやはり大変なエネルギーを使うことになりますからね。そんなに簡単に出来るでしょうか?」


ここで言う問題やトラブルとは、契約に関することと建物自体に関することを指しています。

【営】
  「・・・でも、今は(現在は)お客さんも買い易くなっているとは思いますよー」


品確法(品質確保の促進等に関する法律)や瑕疵保障制度が出来ているから安心だという意味のようです。

◆コメント

確かに性能表示や保証制度は必要です。必要だからこそ立法化されたのです。
しかし、ここで考えなければならないのは、一方的に『保証制度があるから不動産購入や建築は安心なはずだ』とは言いきれないということす。つまり、消費者にとって何かがあった時に、素人の方がその関連性を第三者の力を借りて証明することや、解決しない場合は裁判を起こすというのは大変なことなのです。 
なおかつ非を建築会社が認めないかぎり、問題は長期化するのが目に見えているのですから、消費者は大変なリスクと精神的負担です。

決して営業の方個人を責めたりしているのではありません。営業マンとして今の時代に建物受注をしていくことは大変な苦労を伴うことでしょうし、自社の商品(建物)や勤務している会社に自信や誇りを持つのは当然のことです。
しかしながら、営業の方が『そんなはずは無い』と思っていても、会社には会社としての組織や立場というものがあるのですから、何かがあった場合に、そのことを簡単に施工した会社が認めるはずがありません。認めてしまえば看板にも係ることですし、大変な出費を覚悟しなければならない場合もあります。また、それが小規模な会社や工務店だった場合、会社の今後の存続そのものが危うくなることさえあるのですから。

話がエスカレートしてしまいましたが、ちなみに、先のコメントで述べたような裁判というところまでいくようなケースは少なく、実際は問題が生じても、殆ど消費者側の知らずじまいや妥協ということが多いのです。

したがって、いわゆる品確法や瑕疵保障制度が出来たからと言っても一概に消費者側のリスクや負担がゼロになったかと言うとそんなことは無いのです。やはり販売する側も購入する消費者側にもそれに見合った自覚や責任が必要であることは確かなようです。


不動産や建築に限らず、他の世界でも大なり小なりの意識の差というものはあるのでしょうが、今回、自然な会話の中にも販売する側と消費者との『大きな意識(認識)の差』と言うものを如実に感じました。

分譲地や一般の土地購入、建売住宅購入、中古住宅購入、新築、マンション購入等、土地自体や建物について、売買契約そのものについてなど予測されるトラブルを未然に防いだり、最小限に抑える為には消費者の立場にたった『サポート』は大変効果的です。



■入居前の後悔--ご相談例より-- No.22 - 2004/04/27

「打ち合わせをしていたつもりがそのとおりになっていなかった」と言った話は以前からたくさんあったのですが、現在も多く繰り返されているようです。

◆建物引き渡し間近になってのご相談例

契約前の打ち合わせ時に「換気設備の費用は30万円位です」と言っていたので『全熱交換型換気設備(*)が付いているものと思っていたら、通常の換気扇(十数万円)しか付いていなかった。営業マンに聞いてみると「いや、それだったら90万円くらいはかかりますよ」ととんでもない額の返事が返ってきた。
「とても契約前の同じ営業マンの言葉とはとても思えませんでした」と内心激怒。
(*)(上記はシックハウス対策に伴う換気設備のことです)
他にも
・ バルコニーのルーフを電動式にしていたつもりが手動式になっていた
・ 小屋裏利用をしたときの断熱材の施工個所や方法を尋ねてもあやふやな答えしか返ってこない
・ 階段上部の天井がもともと低い設計の為、上り下りの際頭が照明器具に当ってしまうところなどは「お客さんが選んだ照明器具ですから・・」という返事など 大手のハウスメーカーとは思えない対応でした。

「失敗したー契約前にちゃんと打ち合わせしておくべきだった。あれもこれも打ち合わせしていたようになっていない!やはり専門の人にお願いしておけば良かったなー」と相談者から後悔の言葉が何度もでてきます。

『建築中もあまり建物の中に入れさせてもらえなかったし、こんな調子では、建物自体もどうなっているか分らないので、入居前に専門家の方にきちんと診てもらっておかないと後で何かでてきたときに困るから、建物検査を依頼したい』ということでした。
◆コメント

このような問題の場合、メーカーの大小に関わらず、施主が何をどのように打合せをしたらいいのか分からない、というのが大半です。
また、きちんと打合せをしていても、その通りの施工がなされているのか、実際に施主自身が確認するのは難しいことも多く、消費者は疑心暗鬼になりそうです。

建物契約までには押さえておくべき大切なポイントや、確認しておくことがたくさんあります。KJSレポートNO1~21でも述べています。
『契約サポートや建物検査』は、予測されるトラブルを回避したり、最小限に抑えることができて大変効果的です。


◆建物引き渡しに際し多いご相談例

引き渡し時にお客様が納得していないことや、終わっていない工事部分があっても引き渡し手続きをしてしまう会社も多いようですが、不安や不満を抱えたままでの建物引き取りの場合は感情的になったりすることも少なく有りません

1.打ち合わせしていたようになっていないのですが、それでも引き渡しを受けなければいけないのでしょうか?
2.終わらない間は引き取らないでおくことができますか?
3.残工事分の費用相当額を残しておいて工事が終わった後に支払ってもよいのでしょうか・・・などといったご相談があります。
★ワンポイント
アドバイス
本来は契約書や約款、設計図書等に定められた工事がきちんと終わってから引き渡しが行なわれるべきです。
しかし、遅れた理由が本体(契約)に含む部分の残工事である場合もあれば、契約前の打ち合わせ不足で工事途中の変更や追加工事等に伴う対応の遅れに起因するものもあります。
また、場合によっては、契約上「引き渡し施主検査後の軽微な残工事(手直し等)においては引き渡し後でもよい」として約款に記載していることもありますので、この事との兼ね合いがでてきたりしますが、実際には曖昧なまま引き渡しが行われているケースも多々あるようです。

契約前にきちんと確認しておく必要があります。
◆コメント

この件に関連のあることとして、契約書の約款には、建物完成時の「仕様書不適合の場合の改造義務」や、「現場検査」、「引き渡し」「代金の支払い」「履行遅延違約金」についての条項についても記載されてはいるものの、結局はどちらかの妥協という形で決着しており、一般的には消費者の方の妥協が遥かに多いようです。

「大手ハウスメーカーで建てれば何となく安心だろう」とか、「知り合いを通しているから安心だろう」と思っていた方も少なくありません。しかし実際にトラブルがあった時、メーカー名や知り合いの方が解決してくれるでしょうか。
その時になってはじめて、『よく聞くメーカー名と言っても、看板が仕事をする(家を建てる)のではなく、人が造るもの』ということを実感されるようです。

*新築マンション購入においても、間取りの一部変更やその工法、仕上げの変更について、やはり戸建て住宅の場合と共通した問題も発生しています。


■新築建物完成内覧会立会いサポート《新築マンション購入編》
--『新築マンション完成内覧会立会いサポート』をご利用いただいたお客様の声から--
No.21 - 2004/03/26

今回はKJSの『新築マンション完成内覧会立会いサポート』をご利用いただいたお客様の声として福岡県のY・N様から頂きましたご感想を掲載します。


ご利用サポート

『新築マンション完成内覧会立会いサポート』
Q. 内覧会サポートをお知りになったきっかけについてお聞かせ下さい。
A. 以前、新聞で見たことがあったので電話帳で調べて。

Q. 内覧会サポートを依頼しようと思った動機についてお聞かせ下さい。
A. 1.建築や、建物(マンション)についてよく分らないから
2.プロの判断や意見を聞きたかったから
3.購入者の立場でのアドバイスがほしかったから
4.マスコミ報道等による現在の社会情勢を考えて
(マスコミで欠陥住宅の実体や施工業者の手抜き作業などが紹介されているのを見て不安になり、購入した物件が安心な住居であるかを調べていただきたかった為)

Q. KJSの新築マンション完成内覧会、及び終了後のチェック項目書による現地説明の内容等について。
A. 内容がわかり易く非常に丁寧に説明して頂きました。専門用語はよく分りませんが、私たちのような素人でもその後の説明はわかり易くして頂き感謝しております。
KJSでは物件自体の構造や安全性、防音性能、配管関係、各仕上げ状態、その他大切なチェックポイントついて、事前にお客様にご説明します。また、内覧会終了後にその結果内容をわかり易くご説明致しています。(30項目以上)
合わせて、依頼者の方が気付かない点や難しい点なども、業者の方へお尋ねしたり、代わって確認したりします。

 

Y・N様ご感想有難うございました。
KJSのサポートがお役に立ち、私どもも大変嬉しく思っています。


ちなみに、マンションの引渡し前完成内覧会というものは、一種の独特な雰囲気があります。販売会社や施工会社の方だけでも総勢何十人、その他にも器具取り扱い説明の為の納入業者さん、新聞販売店やカーテン取付け等のいろんな業者の方もいます。
実際の立会いは2~3名の担当者の方というケースが多いのですが、引渡し前の内覧会という独特な雰囲気と慌ただしい時間の中で、いわば素人の購入者の方が何をどのようにチェックしたらよいのか大変難しい問題です。

KJSは、今回のような貴重なご意見やご感想をご参考とさせて頂き、社会的な見地からも消費者の方のご期待やご要望にお答えできるようお役に立って行きたいと考えております。

読者の皆さんも不動産(マンション)購入や契約事に際し、第三者のサポートを利用して『不安やリスク』を『安心と納得』に変えて、不動産(住まい)購入をして下さい。


 
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