1. 設計図面が揃っていない段階(ラフプランのみ)なのに見積り書が提出されていたこと。また、この時点で契約が交わされていたこと等不自然な状態でした。
*設計図書が揃っていなくてどうして見積り書が出来るのでしょうか?
勿論、施主は正式な契約書では無いとの認識しかなかったのですが、営業マンの「これから先は・・・」という言葉を信用して契約し、契約金も1割を入金していました。
2.建築契約後の図面なのに、敷地に建物が入らない!これまで打ち合わせしていたような配置とまるで違うのです。それも配置図がなかったので要求して始めて発覚したのですが、そのことについては何の説明も無く施主に手渡されました。こんなことが今の時代にあるのでしょうか?着工に至ってからこんなことが分かってもどうしようもありません。
3.構造図(伏図)が無い!矩計図が無い!
こちらが図面の要求をすると「プレカット工場にまだ出していないので、まだ出来ていない」などと全く訳の分からないことを言っていましたが、設計図が出来ていないうちに工場に出せるはずもないし、第一、設計士が伏図を書かずにプレカット工場がいきなり伏図を書いているとでもいうのでしょうか?
その建物の本当の設計者はいったい誰なのでしょうか?
*(プレカット=コンピューター制御により木材の加工切り込み等を工場にて行うこと)
また、図面には設計者の記載が無い為、設計図や設計自体の責任の所在がはっきりするよう記載の要請を行い提出してもらったところ、構造材のチェックをしてみると案の定、梁スパンに対する床梁の梁成が著しく足りない箇所等が何箇所もありました。
こんな違反行為は設計士なら分かっているはずですし、素人の施主に分かるはずもありません。
他に耐力壁といわれる壁や火打ち材の配置のバランスの問題、建物の見栄えや外観も大切ですが、設計士は施主に対し風圧や耐震に対する考慮をしながらプロとしてのアドバイスをしてこそ本当のプロの設計士と言えるのではないでしょうか。
(経験に基づくことは結構ですが、勘と経験と度胸、予算優先だけではだめです、建築というものはきちんとした構造上の数値または根拠が必要です)
*その会社の建物はこれまでもこんな状態で建築していたことを伺わせますが、 大変怖いことです 。
そのまま建築をしていたら、それこそ日本建築検査研究所(住宅性能評価機関)代表の岩山健一さんの著書「欠陥住宅に負けない本」の中に記述されているとおり『現象なき欠陥住宅』が出来上がっていたことでしょう。
*KJSでは建築検査に際し、当然設計図書のチェックをしますが、施主の方も所 要設計図書やそれに基づく見積り書等がきちんと精査された上で建築契約をして下さい。せっかくの住宅建築が危険なものであったり、多額の費用をかけても不動産としての価値の無いものなど、『楽しい家造り』のはずが空しいものになってしまいます。
上記の例のように設計自体もおぼつかないような調子では、建築検査に至っての品質施工面でかなり気を引き締めて掛からなければならないでしょう。
KJSでは悪しき慣習に負けない消費者サポートのプロとして建築サポート等を行っています。 わざわざ、消費者の不安を煽ってまで仕事にする必要性はありません。 KJSは消費者の力強いサポート役として、これからも事実のみを発信していきます。
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