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①は筋交い端部の所要規定金物ですが、この建物の筋交いプレートのビスは全箇所とも 4 / 7 の本数しか打たれていません。
②は筋交い金物自体が取り付けられておらず、釘止め 1 本のみです。
単純なことですが、 防水シートの 裾の部分をきちんと止めつけていないの で数列に渡って 通気層の隙間をふさいでいる状態です。 写真は通気胴縁の施工の方法が問題では無く、 透湿防水シートの張り方(張り仕舞い)が問題です。せっかく通気工法として施工していてもこれでは全く通気工法とはいえません。 このような透湿防水シートの張り方では恐らく計算された通気量の 20 %~ 30 %程度しか通気しないことになるでしょう。これでは本来の機能は果たしません。
外装版コーナーの止め付け金具のビスが本来止め付けるべき下胴縁に止め付けられていません。これでは外装版は数年も経たない内に浮いてくる可能性があります。 この施工エラーの原因はコーナー部の通気胴縁の取り付け位置が悪いのですが、それが分かっているにも関わらず、そのまま施工してしまっていることです。 こちらが指摘をしたとき「何が悪いんですか」と開き直っていましたが、こんなダメ施工は認めません。外装版のメーカーも工務店がこのような施工をしていた場合は保証しないとのことです。 タイミングよく現場に見に行かなければ(注意しなければ)そのままで見えなくなってしまう部分です。
③は①②の手直し後の写真ですが、それでも充分ではありません。 ルーフィングの張り上げ高さは公庫の共通仕様で 25cm 、その他でも 20cm 以上となっていますが、それさえも満たされていません。
下屋と外壁との取り合い部分は、特に漏水に対しての配慮が必要な部位です。
手直し後(左写真)の状態でも完全ではありませんが、例え外張り断熱工法であっても、写真②~④は屋根部分の防水に関して有り得ない施工です。当然の如く、その他の下屋やバルコニー部分についても、同じ施工不良の状態が認められています。
※なお、この建築会社では透湿防水シートを張りません!
1)工事監理者や現場管理者に知識がないことに加え、瑕疵担保責任の保険会社でも指摘はしないようです。
2)プロの方がこのコメント等を見ると、いわゆる「3条確認を取得しているから問題ない」と言いそうですが、検査時にこの断熱材メーカーでは3条確認は取得していません。そもそも、同法に拠って許容される部分ではありません。
※3条確認とは、瑕疵担保履行法「設計施工基準(第3条の特例)」のこと。
≪瑕疵判断の基準≫
外壁の窓周囲部分は、特に漏水に対しての配慮が必要な部位です。
工事監理者や現場管理者に知識がないことに加え、防水テープの設置は瑕疵担保責任の保険会社でも「設計・施工基準(第9条)」で規定しているのですが、指摘はしないようです。
①はグラスウール(断熱材)の不適切な施工例です。 (無理な押し込みや、止め付け方法の施工不備) ②は2階天井裏の断熱材の欠損となっており、③は断熱材が裏表になっている。
写真のようなことは 「手抜き工事」 と言われても仕方がないほどのことです。 『自分は大手ハウスメーカーの○○○ホームで仕事をしていたんだ』などと豪語せずに断熱材の施工箇所や施工方法くらいは勉強しておいて頂きたいものです。
①と②は外壁(耐力壁)に面する浴室周りのプラスターボード張りがない。 また、②は断熱材が裏表になっている。 ③耐力壁室内側のボード張りの釘打ち不備。 ボード自体をたたき潰している。 (他にも数十箇所が認められました)
①と②は構造上の不備や欠陥となり、建築基準法告示違反でもあります。③も、これではボードを張っていることにはなりません。 勿論、不備箇所は全て張替えを要請しました。
≪指摘事項≫
① 雨水枡の泥溜り深さは、最下横管底より15㎝以上が必要です。
② 横管の埋設深さが足りません。宅内では20㎝又は30㎝以上が必要です。
写真1・・・泥溜り深さ8.0㎝
写真2・・・泥溜り深さ7.0㎝
写真3・・・泥溜り深さ6.0㎝
これらは、いわゆる「手抜き工事」と言います。横管等を埋設するための掘削深さ(掘削作業)を全般に浅くすれば楽ですから・・・。 これらの規定は、設備工事における基本中の基本です。幸いに工事途中だと、指摘を受けても手直しが容易です。しかし、最初から規定どおりに施工していたら、余計な手間や材料代は掛からずに済んだはずです。
※特に新築の場合、宅内の泥が早めに枡内に堆積する可能性がありますから、時々蓋を開けて覗いてみましょう。泥が堆積していたら取り除いてあげないと、横管に泥が詰まってしまいとんでもないことになります。
( 3 枚の写真はそれぞれ別の建物です) ①は床に落ちているタバコの灰、②は床の上に落ちているタバコの吸殻です。いずれも建築中の建物の2階の床にて発見したもの! ③は室内に置かれている吸殻入れ!
こんな非常識なことをする職人さん達が造る建物はどんな建物が建つのでしょうか? 建築会社の姿勢が見えます。 契約時の建築会社と施主の信頼関係はどこへ行ってしまったのでしょうか? 吸殻は注意をした後、管理者の見る前でポケットに入れて持ち帰りましたが、「非常識」を悟って頂けたでしょうか・・・?
『 KJS のこれまでの検査監理において、数えきれないほどの施工エラーを発見し不具合や瑕疵への回避を行ってきました。今回掲載した例はその中のほんの一部です。』 尚、その他の施工エラーの例については随時紹介しますが、 KJS レポートの NO-26.28.35.41.43 でもご紹介しています。
今回の例は、どの例をとっても単純な施工エラーであるものの、大きな不具合となるものばかりであり、通常の建 築検査のポイントとされる検査等では発見できないことがたくさんあります。また、建築基準法違反に該当する手抜き工事や施工不備等、強いて言えば瑕疵又は瑕疵に発展する施工エラーが沢山あります。 しかし、それを回避する為には、ほんの数回程度の現場検査ではたくさんのミスや手抜き工事を回避することはできません。
瑕疵の定義 :目的物が契約に定められた内容や社会通念上必要とされる性能を欠いていること。