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あなたは見抜けますか? 施工エラーのいろいろ 1 < 建築検査編 >

 

例― その1 基礎工事

配筋検査

@

A
B
@鉄筋の「呑み込み」の方向不備。
  (下向きが正解です)

A不適切な溶接と加熱、切り込み欠損(数十ヶ所)。

B鉄筋とコンクリートスラブ部へ剥離剤の塗布または散布。
C
D
E
CD鉄筋のカブリ厚さの不足。本来40ミリは必要ですが10〜20ミリを切っています

E写真中央の縦筋(3〜4本)の台直し(修正)をしていますが、根元で急に曲げることは不適切ですし、その部分の鉄筋のカブリ厚さも確保できていません。  
コメント
上記写真のような施工不備は建築の基礎知識を理解している 本当 の工事監理者(建築士)がきちんと指示や監理をしていれば当然回避できることなのですが、自社設計施工、自社管理(監理)の盲点となっているようです。
※「かぶり厚さ」:鉄筋の表面からコンクリート表面までの厚み


例― その2 躯体工事


土台木の欠損、偏芯、施工不備

写真はダメ施工の典型的な例です。
コメント
検査員が来ることを知っていてこんな仕事をしているのは、KJSが指摘をするのかしないのか試されているのでしょうか?勿論、土台木の交換とアンカーボルトの追加補強をしてもらいました。



例―その3 構造金物等

手抜き、不備、ミス

@

A
B

@は筋交い端部の所要規定金物ですが、この建物の筋交いプレートのビスは全箇所とも 4 / 7 の本数しか打たれていません。

Aは筋交い金物自体が取り付けられておらず、釘止め 1 本のみです。

Bは基礎と土台の間に 2 センチの換気用の隙間がありますが、柱の下になる部分はこの工法であると基礎パッキン(強化プラスチック)が敷き込まれていなければなりなせん。
コメント
@ABのいずれも熟練のプロがした仕事ですが、うっかりミスとはいえません。 明らかな手抜きであり、建築基準法告示の違反工事です。ちなみに、上記のその1、その2も建築基準法告示違反です。



例―その4 外壁通気措置

外装版施工時の外壁通気工法の不備

単純なことですが、 防水シートの 裾の部分をきちんと止めつけていないの で数列に渡って 通気層の隙間をふさいでいる状態です。
写真は通気胴縁の施工の方法が問題では無く、 透湿防水シートの張り方(張り仕舞い)が問題です。せっかく通気工法として施工していてもこれでは全く通気工法とはいえません。
このような透湿防水シートの張り方では恐らく計算された通気量の 20 %〜 30 %程度しか通気しないことになるでしょう。これでは本来の機能は果たしません。

コメント
ちょっとした気使いや壁通気工法に対する理解や意識があれば、あり得るはずのない施工エラーです。



例―その5 外壁工事

外装版(サイディング版)張り施工時のエラー

外装版コーナーの止め付け金具のビスが本来止め付けるべき下胴縁に止め付けられていません。これでは外装版は数年も経たない内に浮いてくる可能性があります。
この施工エラーの原因はコーナー部の通気胴縁の取り付け位置が悪いのですが、それが分かっているにも関わらず、そのまま施工してしまっていることです。 こちらが指摘をしたとき「何が悪いんですか」と開き直っていましたが、こんなダメ施工は認めません。外装版のメーカーも工務店がこのような施工をしていた場合は保証しないとのことです。 タイミングよく現場に見に行かなければ(注意しなければ)そのままで見えなくなってしまう部分です。

コメント
このような施工箇所が数箇所あるようなら、同じ職人がしている仕事ですから他の箇所や外装工事の全ての施工自体についても信頼性を疑わざるを得ません。注意して視る必要があります。



例―その6-1 屋根下地(防水)

下屋部分の下葺きの施工不備

@

A
B

Bは@Aの手直し後の写真ですが、それでも充分ではありません。
ルーフィングの張り上げ高さは公庫の共通仕様で 25cm 、その他でも 20cm 以上となっていますが、それさえも満たされていません。

コメント
2階の外壁と1階の下屋(屋根)との取り合い(取り付け)部分は施工が悪いと特に雨漏りのしやすい部分ですが、こんなずさんな仕事をしていては、「雨漏りして下さい」と言っているようなものです。職歴 30 年の職人さんがこんな仕事を・・・。注意して頂きたいものです。



例―その6-2 屋根下地(防水)
(2014/10 掲載)
下屋部分の下葺きの施工不備(外張り断熱工法)
@手直し後
≪Comment1≫

下屋と外壁との取り合い部分は、特に漏水に対しての配慮が必要な部位です。

手直し後(左写真)の状態でも完全ではありませんが、例え外張り断熱工法であっても、写真A〜Cは屋根部分の防水に関して有り得ない施工です。
当然の如く、その他の下屋やバルコニー部分についても、同じ施工不良の状態が認められています。

※なお、この建築会社では透湿防水シートを張りません!


A:@の手直し前
C:下屋部分の手直し前
B:@の手直し前
≪Comment 2≫

1)工事監理者や現場管理者に知識がないことに加え、瑕疵担保責任の保険会社でも指摘はしないようです。

2)プロの方がこのコメント等を見ると、いわゆる「3条確認を取得しているから問題ない」と言いそうですが、検査時にこの断熱材メーカーでは3条確認は取得していません。そもそも、同法に拠って許容される部分ではありません。

※3条確認とは、瑕疵担保履行法「設計施工基準(第3条の特例)」のこと。

≪瑕疵判断の基準≫

・瑕疵担保履行法「設計施工基準(第7〜9条)
・住宅金融支援機構 木造住宅工事仕様書
・外装材メーカー、NYG施工規定、保証規定、他




例―その6-3 開口部周囲の防水
(2014/10 掲載)

≪Comment 1 ≫

外壁の窓周囲部分は、特に漏水に対しての配慮が必要な部位です。

@-1.手直し後
@-2.手直し後

今の時代でもこんな施工不良が有り得るのか!
≪Comment 2 ≫

写真A〜Bは開口部周囲の防水に関して有り得ない施工です。
当然の如く、その他の開口部周囲(全部)についても、同じ施工不良の状態が認められています。
≪Comment 3 ≫

工事監理者や現場管理者に知識がないことに加え、防水テープの設置は瑕疵担保責任の保険会社でも「設計・施工基準(第9条)」で規定しているのですが、指摘はしないようです。

≪瑕疵判断の基準≫

・瑕疵担保履行法「設計施工基準(第9条) ・住宅金融支援機構 木造住宅工事仕様書
・建築工事標準仕様書.同解説JASS27  ・外装材メーカー、NYG施工規定、保証規定、他

 



例―その7   断熱材

断熱材の施工不備

@

A
B

@はグラスウール(断熱材)の不適切な施工例です。
(無理な押し込みや、止め付け方法の施工不備)
Aは2階天井裏の断熱材の欠損となっており、Bは断熱材が裏表になっている。

コメント

写真のようなことは 「手抜き工事」 と言われても仕方がないほどのことです。
『自分は大手ハウスメーカーの○○○ホームで仕事をしていたんだ』などと豪語せずに断熱材の施工箇所や施工方法くらいは勉強しておいて頂きたいものです。




例―その8   構造躯体

耐力壁の施工不備(枠組壁工法)

@

A
B

@とAは外壁(耐力壁)に面する浴室周りのプラスターボード張りがない。
また、Aは断熱材が裏表になっている。
B耐力壁室内側のボード張りの釘打ち不備。
ボード自体をたたき潰している。 (他にも数十箇所が認められました)

コメント

@とAは構造上の不備や欠陥となり、建築基準法告示違反でもあります。Bも、これではボードを張っていることにはなりません。
勿論、不備箇所は全て張替えを要請しました。



例―その9   設備工事

(2014/10 掲載)
屋外設備工事の施工不備
宅内の雨水枡(集水枡)設置工事でこんなことが!

≪指摘事項≫

@ 雨水枡の泥溜り深さは、最下横管底より15p以上が必要です。

A 横管の埋設深さが足りません。宅内では20p又は30p以上が必要です。

写真1・・・泥溜り深さ8.0p

写真2・・・泥溜り深さ7.0p

写真3・・・泥溜り深さ6.0p

≪Comment≫

これらは、いわゆる「手抜き工事」と言います。横管等を埋設するための掘削深さ(掘削作業)を全般に浅くすれば楽ですから・・・。
これらの規定は、設備工事における基本中の基本です。幸いに工事途中だと、指摘を受けても手直しが容易です。しかし、最初から規定どおりに施工していたら、余計な手間や材料代は掛からずに済んだはずです。

※特に新築の場合、宅内の泥が早めに枡内に堆積する可能性がありますから、時々蓋を開けて覗いてみましょう。泥が堆積していたら取り除いてあげないと、横管に泥が詰まってしまいとんでもないことになります。


≪瑕疵判断の基準≫
・SHASE-S010空気調和・衛生設備工事標準仕様書
・住宅金融支援機構 木造住宅工事仕様書(フラット35)
・市下水道条例施行規定等



その他の例

非常識、論外

@

A
B

( 3 枚の写真はそれぞれ別の建物です)
@は床に落ちているタバコの灰、Aは床の上に落ちているタバコの吸殻です。いずれも建築中の建物の2階の床にて発見したもの!
Bは室内に置かれている吸殻入れ!

コメント

こんな非常識なことをする職人さん達が造る建物はどんな建物が建つのでしょうか?
建築会社の姿勢が見えます。 契約時の建築会社と施主の信頼関係はどこへ行ってしまったのでしょうか? 吸殻は注意をした後、管理者の見る前でポケットに入れて持ち帰りましたが、「非常識」を悟って頂けたでしょうか・・・?




『 KJS のこれまでの検査監理において、数えきれないほどの施工エラーを発見し不具合や瑕疵への回避を行ってきました。今回掲載した例はその中のほんの一部です。』
尚、その他の施工エラーの例については随時紹介しますが、 KJS レポートの NO-26.28.35.41.43 でもご紹介しています。


今回の例は、どの例をとっても単純な施工エラーであるものの、大きな不具合となるものばかりであり、通常の建
築検査のポイントとされる検査等では発見できないことがたくさんあります。また、建築基準法違反に該当する手抜き工事や施工不備等、強いて言えば瑕疵又は瑕疵に発展する施工エラーが沢山あります。
しかし、それを回避する為には、ほんの数回程度の現場検査ではたくさんのミスや手抜き工事を回避することはできません。


KJS は本当の意味で建築主の立場になって建築検査・監理をしているからこそ、現場に 20 回を超える程足を運ぶのです。そしてそれは瑕疵や建築トラブルの原因の芽を摘み採り、回避する為なのです。


瑕疵の定義 目的物が契約に定められた内容や社会通念上必要とされる性能を欠いていること。

瑕疵担保責任目的物に瑕疵があった場合に、その瑕疵を補修したり賠償金の支払いをしなければならない責任のこと。
(事業者に限らず、一般の売主も含まれる)



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